「これって、いじめかも?」子ども自身が気がつけるチェックリスト

「もしかして、自分だけが嫌な思いをしている?」そう感じたら、それは大切な心のSOSです。この記事では、友達との関係、体や心の変化など、子ども自身が「これはいじめかもしれない」と気づくためのサインを解説します。そして、つらい状況を乗り越えるためのヒントをお届けします。

学校であるいじめの代表例

学校でのいじめは、さまざまな形があります。代表的なものを紹介します。

身体的な攻撃

  • 殴る、蹴る、つねるなどの暴力行為
  • 持ち物を隠す、壊すといった物への嫌がらせ

言葉による攻撃

  • 悪口、からかい
  • 脅し、嫌がらせの電話やメール
  • 無視、仲間はずれ
  • SNSでの誹謗中傷

心理的な攻撃

  • 集団で無視する
  • 仲間外れにする
  • SNSのグループから外す
  • 噂を流す
  • わざと失敗させる

性的ないやがらせ

  • わいせつな言葉をかける
  • 嫌がる身体の接触

ネットいじめ

  • SNSやチャットでの悪口、誹謗中傷
  • プライベートな写真を晒す
  • なりすまし

言葉や投稿、誹謗中傷とは?

言葉や投稿、誹謗中傷は、相手を精神的に傷つけたり、社会的評価を貶めたりする行為です。具体的には、以下のようなものが挙げられます。

1. 直接的な悪口や人格否定

  • **「バカ」「デブ」「ブス」「キモイ」「死ね」**といった、相手の容姿や人格をけなす言葉。
  • **「お前がいると迷惑」「いなくなればいいのに」**など、存在そのものを否定する言葉。

2. 事実無根の噂や嘘の拡散

  • 「〇〇は万引きをしたことがある」
  • 「〇〇さんは不倫をしている」
  • 「〇〇はみんなの悪口を言っている」

このような嘘を広めることで、相手を孤立させたり、信用を失わせたりします。たとえ「噂だから」と書き込んだとしても、それが誹謗中傷にあたる可能性があります。

3. 個人情報の晒し

  • 本名、住所、電話番号、顔写真を、本人の許可なくインターネット上に公開する。
  • SNSのアカウント名を晒し、そこに集団で攻撃を仕掛ける。

4. 嫌がらせや脅迫

  • **「死んでしまえ」「殺すぞ」**といった、生命を脅かす言葉。
  • **「お前の個人情報をばら撒く」**といった、脅迫的なメッセージ。
  • 特定の相手にのみ聞こえるように、わざと大きな声で悪口を言う。

5. ネット上での嫌がらせ行為

  • 本人になりすまして、問題のある投稿をする(例:「彼氏募集中」「暇だから電話して」といった偽のプロフィールを作成し、電話番号を載せる)。
  • LINEのグループから一方的に外す。
  • 相手の写真を無断で加工・合成し、SNSに投稿する。

これらの行為は、言葉の暴力やネットいじめとして、被害者に深い心の傷を負わせます。いじめは「された側がどう感じるか」が重要であり、たとえ加害者が「冗談のつもりだった」と言い訳をしても、相手が傷ついた時点でいじめとなります。

子供がいじめを受けているサイン(自分自身で気が付くためのポイント)

心と体に現れるサイン

  • 学校に行きたくなくなる: 学校や特定の場所、人がいると思うと気分が悪くなる。
  • ささいなことでイライラする: 好きなことや遊びをしていても、すぐに怒ったり泣いたりしてしまう。
  • お腹が痛くなる、眠れなくなる: 学校に行く前にお腹が痛くなったり、夜中に目が覚めて眠れなくなったりする。

人との関わりで現れるサイン

  • 無視される、仲間外れにされる: 特定のグループから声をかけられなくなったり、一緒に遊んでもらえなくなったりする。
  • 悪口を言われる: 面と向かって「キモイ」「バカ」などと言われる。
  • SNSのグループから外される: 自分がいないところで嫌なうわさ話や悪口を言われているのを知ってしまう。
  • 持ち物を隠されたり、壊されたりする: 自分の持ち物が見つからなくなったり、ボロボロになっていたりする。

自分自身に問いかけてみる

  • 「やりたくないのに、いやなことをさせられる」: みんながやっているからといって、嫌なことに無理やり付き合わされている。
  • 「笑いながら嫌なことを言ってくる」: 相手は冗談のつもりでも、自分は全然面白くない。
  • 「もうやめてほしいと伝えたのに、やめてくれない」: 嫌だと伝えたのに、からかいや嫌がらせが続く。

もし、これらのサインにひとつでも当てはまることがあったら、それは「いじめ」かもしれません。いじめは「された側がどう感じるか」が一番大切です。ひとりで悩まず、おうちの人や学校の先生、スクールカウンセラーなど、信頼できる大人に話してみてください。

子供がいじめを受けているサイン(親が気が付くためのポイント)

お子さんがいじめを受けているかもしれないと感じた時、どのようなサインに気づけば良いか、いくつかの判断要素をまとめました。お子さんの様子を注意深く見守る上での参考にしてください。

行動の変化

  • 学校に行きたがらない
    • 朝、お腹が痛いと訴えるなど、体調不良を理由に学校を休もうとする。
    • 登校時間になると急に元気がなくなる。
    • 学校や特定の先生、友達の話を避けるようになる。
  • 家に引きこもりがちになる
    • 家族との会話が減る。
    • 部屋にこもって出てこなくなる。
    • 以前好きだったこと(ゲーム、遊び、習い事など)に興味を示さなくなる。
  • 持ち物の変化
    • 筆記用具や教科書、靴などが頻繁になくなる、壊される。
    • 衣服や持ち物が汚れて帰ってくる。
  • お金を頻繁に要求する
    • 何かにつけてお金をせびられるようになり、「お小遣いを増やしてほしい」と頻繁に言ってくる。

身体の変化

  • 原因不明の怪我や病気
    • 体に不自然なアザや傷がある。
    • 食欲不振や睡眠不足が続く。
    • 頻繁に頭痛や腹痛を訴える。
  • 外見を気にするようになる
    • 汚れていないのに服や体を洗いたがる。
    • 髪型や服装を急に変えたがる。

精神的な変化

  • 感情の起伏が激しくなる
    • ささいなことで怒ったり、泣いたりする。
    • 常に不安や緊張した様子を見せる。
  • 自信を失った様子
    • 「どうせ自分なんて…」と自己否定的な発言が増える。
    • 何かに失敗することを極度に恐れる。

これらのサインは、いじめ以外にも思春期特有の悩みや他の問題が原因である可能性もあります。しかし、複数のサインが同時に見られたり、以前とは明らかに様子が違うと感じたら、まずは「どうしたの?」と声をかけ、お子さんの話に耳を傾けることから始めてみましょう。