【副業の失敗例】投資型クラウドファンディングで失敗しやすい主な理由

投資型クラウドファンディングは、少額から不動産や事業への投資を可能にする手段ですが、「元本保証がない」という金融商品の特性と、「流動性の低さ」から、特有の失敗リスクが存在します。

1. 資産の「流動性の低さ」と資金の固定化

株式やFXのようにいつでも売買できる市場がないため、一度投資すると資金が長期間拘束されます。

  • 中途解約が原則不可能:
    • 多くの案件は運用期間（数ヶ月〜数年）が設定されており、期間中に資金が必要になっても引き出すことができません（流動性リスク）。
    • 突然の出費など、予期せぬ資金ニーズが発生しても、投資した資金が手元に戻らず、資金繰りが悪化する可能性があります。
  • 投資期間の長期化（償還遅延）:
    • 貸付先の事業悪化や、不動産開発の遅延などが発生した場合、元本の返済（償還）が予定日より遅れることがあります。
    • 償還遅延が発生すると、その資金はさらに長期間ロックされ、その後の資産運用計画が大きく狂います。

2. リスクとリターンの理解不足（元本割れリスク）

「高利回り」に目を奪われ、その裏にあるリスクを正しく評価できていないケースが多く見られます。

  • 元本保証がないことの軽視:
    • 投資元本は保証されておらず、貸倒れや事業の失敗が発生した場合、投資した資金が一部または全額戻ってこない（元本割れ）リスクがあります。
    • 特に利回りが高い案件ほど、貸付先の信用度が低い、あるいは事業リスクが大きいことを意味します。
  • 分散投資の欠如:
    • 複数の案件に資金を分散せず、特定のプラットフォームや案件に資金を集中させてしまう。
    • そのプラットフォームや事業者が破綻した場合、一度に多額の損失を被るリスクが高まります。

3. プラットフォームと事業者の選定ミス

投資家は、プラットフォーム（運営会社）を信頼するしかないため、事業者選定は最も重要なリスク管理です。

  • 運営会社の信用力調査不足:
    • 案件を扱うプラットフォーム（運営会社）の経営基盤、過去の運用実績、財務状況などを十分に確認せず、集客力や広告に騙されて投資してしまう。
    • 過去に大規模なトラブルや遅延を起こしている業者への投資はリスクが高まります。
  • スキーム（仕組み）の理解不足:
    • 案件ごとの担保や保全措置（例：優先劣後構造）の仕組みを理解せず、「大丈夫だろう」と安易に投資してしまう。
    • 劣後出資（プロの事業家側の出資）が少ない案件や、担保が弱い案件は、損失が発生した際に投資家が元本を失うリスクが高くなります。

典型的な失敗パターン

「高利回りに惹かれて、ほぼ全資金を特定の不動産クラウドファンディング案件に集中投資した。しかし、コロナ禍で開発が長期中断し、償還が半年以上遅延。急遽必要になった資金が引き出せず、生活資金を圧迫した。」

失敗要因具体的なリスクと結果
分散投資の欠如全資金を特定の案件に集中したため、その案件がトラブルを起こした際に全資産が危険に晒された。
流動性の軽視投資資金を「すぐに引き出せる」ものと誤解していたため、償還遅延が発生した際に生活資金の逼迫という実害が出た。
リスクリターンの誤認「高利回り」というリターンだけを見て、その裏にある「事業中断リスク」や「償還遅延リスク」を十分に評価していなかった。

成功の鍵

投資型クラウドファンディングで失敗しないためには、「余裕資金のみを投じる」という原則を徹底し、複数の事業者に分散投資すること、そして高利回りよりも「事業者と案件の信用力」を重視することが不可欠です。

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