【家族が動けるか?】リビング・ニーズ特約の請求を「指定代理請求制度」で乗り切る方法と、給付金支払いまでの最短期間

余命宣告という切迫した状況で、被保険者本人が請求手続きを行うのが困難なケースは少なくありません。リビング・ニーズ特約の生前給付金を家族がスムーズに受け取るためには、**「指定代理請求制度」**の理解が不可欠です。本記事では、家族が代理で特約を請求できる条件や、事前に必要な手続きである「指定代理請求人」の指定について詳しく解説します。さらに、緊急性の高い給付金が、書類提出後、最短5営業日程度で支払われる一般的な流れについてもご紹介します。この特約を最大限に活かすための準備をご確認ください。

1. 原則:被保険者ご本人による請求

リビング・ニーズ特約による生前給付金は、被保険者本人の治療や生活のために使われるお金であるため、原則は被保険者ご本人が請求します。

2. 例外:指定代理請求人による請求

以下の**「特別な事情」がある場合に限り、あらかじめ契約時に定めておいた「指定代理請求人」**が、被保険者の代理人として請求手続きを行うことができます。

特別な事情の例目的
被保険者が心神喪失や意思表示が困難な状態寝たきり、意識障害、重度の認知症などで本人が請求できない場合。
余命6か月以内であることを本人に告知していない医師や家族の判断で、本人に余命宣告の事実を伝えていない場合。

3. 指定代理請求人になれる人

指定代理請求人になれる人の範囲は保険会社によって異なりますが、一般的には以下のいずれかに該当する人です。

  • 被保険者の戸籍上の配偶者
  • 被保険者の直系血族(子、孫、親など)
  • 被保険者と同居または生計を一にしている3親等内の親族

【重要】 家族が代理請求するためには、生命保険の契約時に「指定代理請求特約」を付加し、「指定代理請求人」をあらかじめ指定しておく必要があります。この特約は保険料が無料であることが一般的です。


支払いまでの期間

リビング・ニーズ特約の生前給付金は、請求に必要な書類が保険会社に到着した後、比較的短期間で支払われることが一般的です。

1. 一般的な支払いまでの流れと期間

ステップ内容期間の目安
① 連絡・請求書類の入手保険会社へ連絡し、請求の意思を伝える。即日~数日
② 診断書の準備医師に「余命6か月以内」である旨を記載した診断書を作成してもらう。数日~1週間
③ 請求書類の提出必要書類(診断書、請求書、本人確認書類など)を保険会社へ送付。
④ 保険会社による審査・支払い保険会社が書類の確認・審査を行い、給付金を指定口座へ振り込む。書類到着後、通常5営業日程度

2. 支払い期間が短く設定されている理由

リビング・ニーズ特約は、余命宣告を受けた被保険者とその家族が、緊急に資金を必要としている状況を考慮して設計されています。そのため、保険会社は通常の保険金・給付金の支払いよりも、審査や支払いの手続きを迅速に行う体制をとっています。

ただし、書類に不備があった場合や、医師の診断内容の確認が必要となった場合は、支払いまでに時間を要することがあります。


ご家族が安心して特約を利用できるよう、ご自身の生命保険に「指定代理請求特約」が付いているか、また、誰を指定代理請求人にしているかを確認しておくことが非常に重要です。