脳梗塞を発症された際、患者さんやご家族が抱える大きな不安の一つが「入院がどれくらい長くなるのか」という疑問です。2025年現在、日本の脳梗塞治療は「急性期病院での治療」と「回復期リハビリ病棟での集中訓練」の2段階に分けられ、最も多いケースでは**約90〜120日**の入院期間となります。
脳梗塞の入院期間
| 脳梗塞の重症度 | 平均入院日数(2023〜2025年実績) | 主な入院先の流れ |
|---|
| 軽症(歩いて入院、症状軽い) | 7〜14日 | 急性期病院 → そのまま自宅退院 |
| 中等症(片麻痺あり、歩けないが意識清明) | 21〜45日 | 急性期病院(2〜3週間)→ 回復期リハビリ病院へ転院 |
| 重症(意識障害あり、血栓回収後など) | 45〜120日以上 | 急性期病院(3〜6週間)→ 回復期リハビリ → 場合によっては維持期病院 |
| 超重症(寝たきり、肺炎合併など) | 6ヶ月〜1年以上 | 長期療養病院 or 老健施設へ |
2025年現在の目安日数(全国平均)
| 病院の種類 | 平均在院日数 | 備考 |
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| 急性期病院(SCU/脳卒中センター) | 10〜21日 | 診断・治療・初期リハビリ |
| 回復期リハビリテーション病棟 | 60〜150日 | 1日最大9単位(3時間)リハビリ 150日が保険上限(心原性は180日まで延長可) |
| 合計(中等症の標準コース) | 約90〜120日 | 日本で一番多いパターン |
入院期間が短くなる人・長くなる人
| 短くなる人 | 長くなる人 |
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| ・70歳未満 ・発症〜治療まで4.5時間以内 ・血栓回収成功 ・家族の介護力がある ・早期に座れる・立てる | ・80歳以上 ・治療が遅れた ・重症(mRS 4〜5) ・嚥下障害で胃瘻造設 ・肺炎・尿路感染を繰り返す ・認知症合併 |
2025年の新トレンド
- 在宅復帰率が上昇中
→ 回復期150日フルに使って「自宅復帰」8割超えの病院が増えた
- 訪問リハビリ+通所リハビリの併用
退院後も週5〜7回リハビリができる体制が整い、入院を短縮
- ロボット・AIリハビリ導入病院
効率が上がるため、入院期間が平均10〜20日短縮
実際の退院目安(家族に伝えられる目安)
| 状態 | 退院の目安 |
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| 自分で歩いてトイレに行ける | 急性期病院から直接自宅(2〜3週間) |
| 車いすだが移乗は自立 | 回復期60〜90日で自宅復帰多い |
| 寝たきり+胃瘻+気切 | 回復期150日経っても自宅困難 → 老健・特養へ |