
インフルエンザワクチンは毎年接種が推奨されますが、その種類や投与方法には、世界的に見ると多様な選択肢があります。
この記事では、現在日本で主流の「皮下注射による不活化ワクチン」(標準、高齢者用、組換え型)から、海外で承認されている鼻スプレー型(フルミスト)や筋肉注射、さらには研究中の経皮パッチまで、世界のインフルエンザワクチンを投与方法別に徹底比較します。2025年11月現在、日本国内における「注射以外のワクチン」の選択肢の有無について詳しく解説します。
インフルエンザワクチンの種類(投与方法別)
| 投与方法 | ワクチン種類 | 日本で打てる? | 詳細・備考 |
|---|---|---|---|
| 皮下注射 (上腕/大腿) | 不活化ワクチン(標準) | ◎ 日本で主に使用 | ・商品例: インフルエンザHAワクチン(4価) ・6ヶ月以上対応 ・上腕(三角筋)or 乳幼児は大腿 |
| 高齢者用高用量/アジュバント添加 | △ 一部承認 | ・フルアド(Fluad):65歳以上向け、2024年から一部導入 ・免疫応答強化 | |
| 組換え抗原ワクチン(卵不使用) | ◎ 日本で使用可 | ・フルブリック:卵アレルギー対応 ・皮下注射 | |
| 筋肉注射 | 不活化ワクチン(IM) | × 日本では非推奨 | ・海外では標準(米国など) ・日本は皮下注射が原則 |
| 鼻スプレー(噴霧) | 弱毒生ワクチン | × 日本未承認 | ・フルミスト(FluMist):米国・欧州で2~49歳向け ・注射不要、痛みなし |
| 皮内注射 | 低用量不活化ワクチン | × 日本未承認 | ・過去に試験(ID Fluなど) ・針が細く痛み少ないが流通なし |
| 経皮パッチ(貼るだけ) | マイクロニードルワクチン | × 開発中 | ・研究段階(米国・日本企業共同開発あり) ・将来的に期待 |
| 経口ワクチン | 経口生ワクチン | × 研究段階 | ・腸管免疫狙い ・実用化は遠い |
まとめ:日本で今すぐ打てるもの
| 種類 | 投与方法 | 対象 |
|---|---|---|
| 標準不活化ワクチン | 皮下注射(上腕/大腿) | 6ヶ月~全員 |
| 高齢者用アジュバントワクチン(フルアド) | 皮下注射(上腕) | 65歳以上 |
| 組換えワクチン(フルブリック) | 皮下注射(上腕) | 卵アレルギーなど |
まとめ
- 上腕以外の実用的な代替: 日本ではほぼなし。鼻スプレーやパッチは未承認。
- 注射部位の例外: 乳幼児(特に1歳未満)は大腿部に打つことがあります(上腕より太いため)。
将来的に鼻スプレーやパッチ型が日本でも承認される可能性はありますが、現時点では上腕(または大腿)注射が標準です。詳細はかかりつけ医や厚生労働省の最新情報を確認してください!
日本では「注射以外」の選択肢は実質ゼロ(2025年11月現在)
