うつ病の有病率(人口比)世界ランキングについて

「うつ病(抑うつ障害)」に絞って世界と日本の状況を比較すると、精神疾患全体(不安障害などを含む)のランキングとはまた違った傾向が見えてきます。

WHO(世界保健機関)などの調査に基づき、「人口10万人あたりのうつ病有病率」が高い国々のランキングと、日本の位置づけをまとめました。


うつ病の有病率(人口比)世界ランキング

※「うつ病」の診断を受けている、または推計される患者の割合が高い順です。

順位国名有病率(推計)背景・主な要因
1位ウクライナ約6.3%長引く紛争、避難生活、極度の社会的ストレス。
2位オーストラリア約5.9%早期発見の仕組みが確立。受診への心理的ハードルが低い。
3位アメリカ約5.9%経済格差、薬物問題、競争社会による高いプレッシャー。
4位ブラジル約5.8%経済不安と治安問題。南米で最も高い数値。
5位エストニア約5.6%日照時間の短さ(季節性うつ)と過去の社会背景。
中位日本約4.2%世界平均(約3.8〜4.0%)よりやや高い。

日本の「うつ病」有病率の順位(約190カ国中)

調査機関や年次によって多少前後しますが、おおよその立ち位置は以下の通りです。

  • 世界全体での順位:30位 〜 50位の間
  • アジア圏での順位:3位 〜 5位(中国、韓国、インドなどと並んで上位)

「中位」と言いつつも、世界にはメンタルヘルスの統計が取れていない発展途上国も多いため、実質的には「うつ病のリスクが高い国」のグループに入っています。


日本の「うつ病」に関する特徴と現状

日本をこのランキングに当てはめると、「世界平均よりは高いが、欧米のメンタル先進国よりは低く出る」という位置にいます。

1. 日本の患者数は「増加傾向」

厚生労働省の調査では、日本国内の気分障害(うつ病・躁うつ病など)の患者数は約120万人以上とされています。しかし、これは「病院にかかっている人」だけの数字です。

2. 「我慢」と「未診断」の壁

WHOの推計では、日本国内には実際には約500万人以上(人口の約4〜5%)のうつ病患者がいるとされています。つまり、「4人に3人は病院に行かずに耐えている」という日本特有の構図があります。

3. 男性より女性に多い傾向

世界共通の傾向ですが、日本でも女性の有病率(約5.0%以上)は男性(約3.0%前後)に比べて高い数値が出ています。これはホルモンバランスの変化や、育児・仕事の両立によるストレスが影響していると考えられています。


日本の疾患別の「有病率」比較

うつ病単体で見ると、他の精神疾患とのバランスは以下のようになります。

  • 1位:不安障害(パニック、強迫性など)
  • 2位:うつ病(抑うつ障害)
  • 3位:アルコール依存症・薬物依存症

ランキング上位の国(ウクライナやアメリカなど)は、「誰が見ても明らかなストレス(戦争、貧困、格差)」が原因である場合が多いです。 対して日本は、「目に見えにくいストレス(同調圧力、長時間労働、孤独)」がじわじわと心を削り、うつ病に繋がっているのが特徴的です。


まとめ:日本での受診の目安

もし「これってうつ病かな?」と迷ったときは、ランキングの数字に関わらず、以下の基準で判断してみてください。

  • 2週間以上、毎日気分が沈んでいる。
  • これまで楽しかったことに全く興味が持てない。
  • 眠れない、または寝すぎてしまう。