
カプセルホテルは、日本で独自に生まれた宿泊施設です。一人ひとりが個別の「カプセル」と呼ばれるベッドスペースで宿泊します。このカプセルは、人が寝るための最低限の広さしかなく、ドアではなくロールカーテンやアコーディオンカーテンなどで仕切られているのが一般的です。
旅館業法では「簡易宿所営業」に分類されます。
特徴
- 料金が安価: ビジネスホテルなどに比べて宿泊費が安く、都心部でも数千円で宿泊できることが多いです。
- 立地の良さ: 主要な駅の近くや繁華街に多く、アクセスが良いのが特徴です。終電を逃した際などに利用する人も多いです。
- 共同利用の設備: 宿泊スペースはカプセルですが、大浴場やシャワー、トイレ、洗面所などは共同で利用します。
- 設備の充実: 近年では、シャンプーやタオルなどのアメニティが充実していたり、サウナ、漫画コーナー、ラウンジなどを備えた施設も増えています。
- プライバシー: 完全に個室ではないため、プライバシーは限られます。カプセル内に鍵をかけることは法律上できません。貴重品は、別途用意されているロッカーに預ける必要があります。
メリットとデメリット
メリット
- 宿泊費を抑えられる: 最も大きなメリットです。
- アクセスが良い: 交通の便が良い場所に立地していることが多いです。
- 手軽に利用できる: 予約なしでも空室があれば宿泊できる場合があります。
- 施設が充実している: 最近の施設は、大浴場やラウンジなど、快適に過ごせる設備が整っているところが多いです。
デメリット
- 音が気になる: 完全な個室ではないため、他の宿泊者のいびきや物音が聞こえることがあります。耳栓があると安心です。
- プライバシーが少ない: 鍵がかけられないため、セキュリティ面で不安に感じる人もいます。
- 閉所感が苦手な人には不向き: カプセル内は狭いため、 claustrophobia(閉所恐怖症)の方には適さない場合があります。
カプセルホテルの平均価格
カプセルホテルは、1泊あたりの平均価格が4,000円前後のところが多いです。
- 安価な施設: 2,000円台から宿泊できるところもあります。
- 設備が充実した施設: 大浴場やサウナ、漫画コーナーなどが備わった施設や、立地の良い施設では、6,000円〜10,000円を超える場合もあります。
- 繁忙期: ゴールデンウィークやお盆、年末年始などの繁忙期には、価格が高騰することがあります。
歴史
カプセルホテルは、1979年に大阪で誕生した「カプセル・イン大阪」が最初とされています。当初は終電を逃したサラリーマンの仮眠施設として考案されましたが、安価で手軽な宿泊スタイルとして人気を集め、日本全国に広まりました。
近年では、内装やデザインにこだわった「デザイナーズカプセルホテル」や、女性専用のフロアや施設を設けるなど、多様なニーズに応えるホテルが増えています。