クモ膜下出血(SAH)は、脳卒中の中でも特に致死率が高く、発症後の対応が一刻を争う緊急性の高い疾患です。日本の発症数は年間約3万人、原因の80%以上は脳動脈瘤の突然の破裂によるものです。
この病気の最も特徴的なサインは、「今まで経験したことのない、ハンマーで殴られたような激しい頭痛」と嘔吐、そして一時的な意識消失です。
クモ膜下出血(SAH)の概要 2025年最新まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|
| 定義 | 脳を包むクモ膜の下の空間(クモ膜下腔)に突然出血する病気。脳実質の中ではないので、厳密には「脳出血」とは別。 |
| 日本での発症数 | 年間約3万人(人口10万人あたり25人)。40〜60歳代の女性に多い。 |
| 死亡率 | 発症後30日以内で約30〜40%(再出血・脳血管れん縮が原因)。生存しても約30%が重い後遺症。 |
| 一番多い原因 | 脳動脈瘤の破裂(約80〜85%)。その他:血管奇形、原因不明(10%程度)。 |
主な症状(超急激!)
| 症状 | 特徴 |
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| 激しい頭痛 | 「今まで経験したことのない」「ハンマーで殴られたような」頭痛が90%以上 |
| 嘔吐 | 噴射性(噴水のように) |
| 意識消失 | 数秒〜数分(発作時)50%以上 |
| 首の痛み・硬直 | 2〜12時間後に出現 |
| けいれん・手足の麻痺 | 10〜20% |
→ これが出たら「即119番」。1分でも早い方が助かる確率が上がります!
発症からの危険なタイムライン(命に関わる)
| 時間 | 最大のリスク |
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| 発症〜24時間 | 再出血(最初の出血がまた破れる)→死亡率50%以上 |
| 発症4〜14日目 | 脳血管れん縮(血管がギュッと縮む)→脳梗塞 |
| 発症2週間〜1ヶ月 | 水頭症(脳脊髢液が溜まる) |
2025年現在の標準治療の流れ
- 発症→救急車→頭部CT(99%で診断がつく)
- 脳血管造影(3D-CTA or DSA)で動脈瘤の位置・大きさ確認
- 発症後72時間以内に必ず治療(再出血防止)
| 治療法 | 特徴・適応 | 2025年の割合(日本) |
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| コイル塞栓術 | カテーテルで動脈瘤の中にコイルを詰める(体への負担が少ない) | 約75〜80% |
| クリッピング手術 | 頭を開けて動脈瘤の根元をクリップで止める(確実性が高い) | 約20〜25% |
→ どちらも「発症後3日以内」が生存率・予後を決める最大のポイントです!
生存した場合の後遺症(1年後)
| 状態 | 割合 |
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| ほぼ普通の生活に戻れる | 50〜60% |
| 軽い障害(少しふらつくなど) | 20% |
| 中等〜重度障害(介護必要) | 15〜20% |
| 植物状態 | 5%程度 |
一番大事な予防
| リスク | 予防法 |
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| 未破裂脳動脈瘤 | 40歳以上で1回は脳ドック(MRA) |
| 高血圧 | 130/80未満をキープ |
| 喫煙 | 完全禁煙(喫煙者は非喫煙者の5〜10倍!) |
| 過度な飲酒 | 女性12g/日、男性25g/日まで |
まとめ
「バットで殴られたような頭痛+嘔吐+意識消失」が出たら、
すぐに119番 → 発症後3日以内のコイルorクリップ治療で助かる確率が劇的に上がります!