レコード(アナログレコード、特にLPレコード)の売上は、今でも世界中で存在し、実際に近年は驚くべき復活を遂げています。かつてCDやデジタル音楽に押されて市場が縮小したアナログレコードですが、今ではコレクターや音楽愛好家の間で人気が再燃し、売上が増加しています。
レコード売上の復活
- 2020年代に再ブーム: 2000年代後半からレコードの売上は再び増加し始めました。特に2020年代に入ってから、アナログレコードは主流の音楽フォーマットの1つとしての地位を取り戻しつつあります。アメリカやイギリスなどでは、アナログレコードの売上がCDを超える年もありました。
- 物理メディアとしての魅力: レコードは、デジタル音楽の利便性とは対照的に、音質の深みやレトロなビジュアルデザイン、アナログならではの温かみのあるサウンドが魅力です。これにより、特に若い世代の音楽ファンやコレクターにとって、所有欲をかきたてるアイテムとなっています。
アメリカにおけるレコード売上
- 2022年の売上: アメリカでは、2022年に約4,100万枚のアナログレコードが販売されました。これは、前年の2021年よりも約13%増加しており、さらに売上が伸びていることを示しています。
- 2021年の売上: 2021年には約4,200万枚のレコードが販売されており、これも前年2020年から50%以上の増加を見せていました。これは、アメリカでレコード売上が1991年以来、初めてCDを上回った年でもあります。
- 売上額: アメリカの音楽業界全体の中で、レコードの売上は2022年に12億ドル(約1,800億円)近くに達しました。この売上は、物理メディア市場全体の大部分を占めています。
イギリスにおけるレコード売上
- 2022年の売上: イギリスでは、2022年に約560万枚のレコードが販売されました。これは、2021年の540万枚からの増加で、2020年代を通じて堅調に成長しています。
- 売上額: 2022年のレコード売上は約1億3,500万ポンド(約240億円)に達し、イギリスにおける物理メディア市場の半分以上を占めています。
世界全体のレコード売上
- 世界全体では、アメリカやイギリスに限らず、欧州諸国や日本などでもレコード市場は拡大しています。2022年の世界のレコード売上は約200億円~300億円に達すると見られ、成長を続けています。
なぜレコードが人気を取り戻しているのか?
- 音質へのこだわり: アナログレコードは、デジタル音源とは異なり、温かみや深みのある音質が特徴です。特に高品質のステレオやスピーカーを持つ人々の間で、アナログレコードの音質が再評価されています。
- フィジカルな体験: レコードを手に取り、ジャケットデザインやライナーノーツを楽しむフィジカルな体験は、ストリーミングにはない魅力です。レコードプレーヤーを使って音楽を聴く儀式的な楽しみも人気の要因です。
- 限定版や特別版の魅力: アーティストやレーベルが限定版や特別版のレコードをリリースすることが多く、コレクター市場が活性化しています。カラー盤やピクチャーディスク、180グラム重量盤などが人気です。
レコード売上の傾向
- 新しいリリースとクラシックアルバム: 現在のレコード市場では、新しいアルバムのリリースとともに、クラシックなアルバムの再発が人気を集めています。ビートルズ、ピンク・フロイド、レッド・ツェッペリンなどの伝説的なバンドのアルバムが再リリースされ、売上を押し上げています。
- 音楽ジャンルの多様性: ロック、ジャズ、クラシック音楽、ヒップホップなど、多様なジャンルでレコードの人気が高まっています。特にインディーミュージックのアーティストやバンドもレコードリリースに積極的です。
まとめ
- アナログレコードの売上は今でも世界中で増加傾向にあり、特に2020年代に入ってから人気が再燃しています。
- アメリカやイギリスなどではCDを超える売上を記録することもあり、コレクターや音質を重視する音楽愛好家に支えられています。
- レコードの物理的な存在感や限定版の魅力、そしてアナログならではの音質が、多くのファンに支持されている要因です。
レコードの市場は、音楽を単に「聞く」だけではなく、「所有し、楽しむ」文化を象徴するものとして、これからも続いていくでしょう。