再就職手当は、日本の雇用保険制度の一環として、失業保険（基本手当）を受給している人が早期に再就職した場合に支給される給付金です。この手当は、早期再就職を促進するためのインセンティブとして設けられており、以下の条件を満たすことで受け取ることができます。
1. 再就職手当の概要
再就職手当は、失業手当（基本手当）の支給日数がまだ残っている状態で早期に再就職を決めた場合に、その未支給分の一部をまとめて受け取れる制度です。
2. 支給条件
再就職手当を受け取るためには、以下の条件をすべて満たしている必要があります。
- 基本手当の支給日数が残っていること
- 再就職日までに、基本手当の支給残日数が3分の1以上あること。
- 1年以上の雇用が見込まれる職に就くこと
- 再就職先が、雇用保険の被保険者として1年以上働くことが見込まれる安定した職業であること。
- 待機期間終了後に再就職すること
- 失業保険を申請後、7日間の待機期間があります。この待機期間が終了した後に再就職すること。
- 自己都合退職の場合、3ヶ月の給付制限期間が終了していること
- 自己都合退職の場合、通常3ヶ月の給付制限があります。この期間が終わってから再就職をした場合にのみ支給されます。
- 再就職先がハローワークや職業紹介会社の紹介によるものであること
- 自分で見つけた仕事でも支給対象となることがありますが、ハローワークや職業紹介会社からの紹介が条件となることもあります。
- 前の勤務先に再就職していないこと
- 以前に勤務していた事業所に再就職する場合は支給対象外となります。
- 過去3年以内に再就職手当を受給していないこと
3. 支給額
再就職手当の支給額は、以下のように計算されます。
- 支給残日数が3分の2以上ある場合:
- 支給残日数×基本手当の日額×70%
- 支給残日数が3分の1以上ある場合:
- 支給残日数×基本手当の日額×60%
例えば、基本手当の日額が5,000円で支給残日数が60日残っていた場合、70%の支給を受けられる場合の再就職手当の額は、
コードをコピーする60日 × 5,000円 × 70% = 210,000円
4. 申請方法
再就職手当の申請には、再就職後にハローワークに申請が必要です。申請には以下の書類が必要となります。
- 再就職手当支給申請書（ハローワークで入手）
- 雇用保険受給資格者証
- 再就職先の事業所が作成する証明書（勤務先に依頼して作成）
再就職後、1ヶ月以内に申請することが推奨されています。
5. 再就職手当のメリット
- 早期再就職を促進: 手当を受けることで、失業中でも早期に仕事を探して働くインセンティブが生まれます。
- 未支給分の一部が現金で支給される: 残りの失業手当がまとめて一部支給されるため、経済的な安定につながります。
6. 注意点
- 再就職しても雇用契約が1年未満で終了した場合は、支給された再就職手当の返還を求められる場合があります（やむを得ない場合は例外あり）。
- 再就職手当を受給した後に、再び失業してもその手当は失業保険には影響しませんが、同じ手当を3年間は再度受給することはできません。
まとめ
再就職手当は、早期に再就職を成功させた場合に失業保険の一部を受け取れる制度で、経済的なインセンティブを提供するものです。支給額や条件についてはハローワークの指導のもとしっかり確認し、必要な手続きを行うことが大切です。
