膝半月板損傷のサイン、スポーツ外傷・加齢による原因を解説

膝半月板損傷(ひざはんげつばんそんしょう)について、わかりやすく説明します。

1. 半月板とは?

  • 膝関節の内側と外側にそれぞれ1つずつある C字型の軟骨
  • 役割:
    • 衝撃吸収(クッション)
    • 膝の安定性維持
    • 荷重の分散
    • 関節の滑らかな動きを助ける

2. 損傷の原因

① スポーツ外傷(急性)

  • 急な方向転換、ジャンプ着地、捻り動作(サッカー、バスケ、スキーなど)
  • 膝を強く捻った際に断裂

② 加齢性変性(慢性)

  • 40歳以上で半月板がもろくなり、軽い動作(しゃがむ、立ち上がる)で裂ける
  • 変形性膝関節症と合併しやすい

3. 主な症状

  • 痛み:膝の内側or外側(損傷部位による)
  • 腫れ(関節内出血や炎症)
  • ロッキング(膝が引っかかって伸ばせない/曲げられない)
  • ガクッと崩れる感じ(不安定感)
  • 階段やしゃがむ動作で痛み

4. 診断

  • 問診+身体所見(マックマレーテストなど)
  • MRI(最も正確。レントゲンでは見えない)
  • レントゲン:骨の異常(変形性膝関節症など)を確認

5. 治療法

① 保存療法(手術しない)

  • 適応:小さな断裂、症状が軽い、加齢性の場合
  • 内容
    • 安静・アイシング
    • 消炎鎮痛剤(内服・湿布)
    • 筋力トレーニング(大腿四頭筋など)
    • ヒアルロン酸注射(関節潤滑)
    • 装具(膝サポーター)

② 手術療法

  • 適応:ロッキングがある、大きな断裂、スポーツ復帰希望
  • 種類
    1. 関節鏡手術(低侵襲)
      • 切除術:損傷部分を切り取る(回復早いが半月板が減る)
      • 縫合術:裂け目を縫う(血流の良い部位のみ可能。回復に時間)
    2. 半月板移植(重度損傷で若年者の場合、稀)

6. リハビリと予後

  • 保存療法:数週間〜3ヶ月で改善
  • 手術後:
    • 切除術:1〜2ヶ月でスポーツ復帰可能
    • 縫合術:6ヶ月以上かかる
  • 注意:半月板を失うと将来的に変形性膝関節症のリスク↑

7. 予防

  • 筋力トレーニング(特にハムストリングス・四頭筋)
  • 適切なウォーミングアップ
  • 体重管理(膝への負担軽減)