子供の骨折治療は実質0円? 若木骨折、骨端線離開の治療費(診療報酬)と入院期間目安

子供に特有の骨折(主に若木骨折、骨端線離開、バックル骨折)について、治療法・治療期間・入院期間・診療報酬を詳しく解説します。
これらの情報は日本整形外科学会のガイドラインや臨床データに基づいていますが、個々のケース(骨折の程度、子供の年齢、合併症の有無)で異なります。必ず専門医に相談してください。
子供の骨折は治りが早い(大人の半分程度)のが特徴ですが、成長障害を防ぐため早期診断・治療が鍵です。


1. 治療法の概要

子供の骨折は保存療法(非手術)が主流。骨が柔らかいため、ギプス固定で自然に矯正されやすいです。手術はずれが大きい場合や成長軟骨板(骨端線)の損傷が重度の場合に限定されます。 

種類主な治療法詳細
若木骨折保存療法(ギプス固定)曲がりが軽度なら固定のみ。中等度以上は麻酔下で徒手整復(手で戻す)。重度(20°以上)はピン固定手術。 
骨端線離開保存療法(ギプス固定)Salter-Harris I・II型:固定のみ。III・IV型:観血的整復+ピン固定手術(関節面のずれを0.5mm以内に)。V型:成長停止のリスク高く、専門治療。 
バックル骨折保存療法(ギプス固定)軽度のため、取り外し可能ギプスやシーネで固定。手術はほぼ不要。 

共通のポイント: 

  • リハビリ:固定解除後から開始。可動域訓練→筋力強化→スポーツ復帰(2〜8週間)。早期リハビリで筋力低下を防ぐ。 
  • 痛み管理:非ステロイド系消炎薬(NSAIDs)や冷却。 
  • 栄養:カルシウム・ビタミンDを積極的に摂取で治癒促進。

2. 治療期間

子供の骨は成長ホルモンが活発で新陳代謝が速いため、治療期間は大人より短め(3〜6週間)。ただし、骨端線離開は成長観察が必要で長期フォロー。 

種類固定期間総治療期間(リハビリ含む)復帰目安
若木骨折3〜4週間4〜6週間学校・軽い遊び:固定解除後即。スポーツ:6〜8週間。 
骨端線離開4〜6週間6〜12週間(III・IV型は年1回の経過観察)関節使用:8週間。成長障害チェック:1〜2年。 
バックル骨折3週間3〜5週間即日軽作業可。リハビリ:2週間。 

治癒の目安:レントゲンで骨癒合を確認。成長期(10歳未満)ほどリモデリング(自然矯正)が期待大。 
遅れる要因:栄養不良、喫煙(親の受動喫煙も注意)、再負荷。


3. 入院期間

多くの場合外来治療で済み、入院は手術時や観察が必要な重症例のみ。子供は痛みに強く、早期退院が可能。 

種類入院の目安詳細
若木骨折入院不要(外来)整復が必要なら1日入院(日帰り)。 
骨端線離開0〜3日(手術時)I・II型:外来。III・IV型手術:2〜3日(ピン固定後)。 
バックル骨折入院不要全外来固定。 

全体平均:骨折入院は1〜5日(軽症)。重症(粉砕など)で1週間以上。 
入院の理由:痛み管理、家族負担軽減。日帰り手術が増加中。


4. 診療報酬(医療費の目安)

日本は国民皆保険制度で、子供(0〜14歳)は無料診療(親の保険適用で0円負担)。15歳以上は3割負担(例:総額10万円なら3万円)。高額療養費制度で月額上限あり。 
診療報酬は1点10円で算定(令和6年改定)。骨折治療は**初診料(288点)+レントゲン(150〜300点)+ギプス(1,500〜3,000点)+手術(5,000〜20,000点)**など。 

項目点数目安(総額目安)子供負担(0〜14歳)備考
初診・検査(レントゲン)500〜1,000点(5,000〜10,000円)0円外来初回。 
ギプス固定1,500〜3,000点(15,000〜30,000円)0円材代込み。交換時追加。 
徒手整復2,000〜5,000点(20,000〜50,000円)0円麻酔下。
手術(ピン固定)5,000〜15,000点(50,000〜150,000円)+入院料(1日4,000〜6,000点)0円入院3日で追加20,000〜30,000円相当。 
リハビリ(1回)300〜500点(3,000〜5,000円)0円週2〜3回、2〜8週間。 

総額例:軽度若木骨折(外来ギプス):総額3〜5万円(子供0円)。手術骨端線離開(入院3日):総額10〜20万円(子供0円)。
注意:私立病院の差額ベッド代は自費。民間医療保険(骨折一時金)で補填可能。 
詳細は厚生労働省の診療報酬点数表で確認(令和6年改定)。 


まとめとアドバイス

  • 治療のゴール:痛みゼロ+機能回復。子供は3〜6週間で日常生活復帰可能だが、スポーツは慎重に。
  • 費用:子供は基本0円。親の負担軽減で安心。
  • 予防:転倒訓練、栄養管理。痛みが続く場合は即整形外科(レントゲン+MRI推奨)。