狭心症と心筋梗塞:違いを完全比較狭心症と心筋梗塞は、どちらも「冠動脈」の病気ですが、
「一時的な血流不足」と「心筋が壊死する」という決定的な違いがあります。
以下に、症状・原因・治療・予後を比較表でわかりやすくまとめます。
狭心症と心筋梗塞:比較表
| 項目 | 狭心症(Angina Pectoris) | 心筋梗塞(Myocardial Infarction) |
|---|
| 定義 | 冠動脈が一時的に狭くなり、心筋に酸素不足 | 冠動脈が完全に詰まり、心筋が壊死(死ぬ) |
| 原因 | 動脈硬化で血管が狭くなる(90%) 血管痙攣(プリンツメタル型) | 動脈硬化+血栓で急に詰まる(プラーク破裂) |
| 症状の特徴 | 「運動時」に胸痛 → 安静で5〜15分で治まる | 「安静時」でも激痛 → 20分以上続く |
| 胸痛の強さ | 中程度(締め付けられる) | 激しい(「死ぬほど痛い」) |
| その他の症状 | 息切れ、冷や汗 | 冷や汗、吐き気、めまい、放散痛(腕・あご) |
| 発症タイミング | 労作時(階段、早歩き) ストレス・寒冷 | 突然(朝方・安静時が多い) |
| 心電図 | ST低下(一時的) | ST上昇(持続) |
| 血液検査 | トロポニン 正常 | トロポニン 上昇(心筋壊死の証拠) |
| 治療の緊急性 | 緊急ではない(外来管理可) | 超緊急!(発症6時間以内が勝負) |
| 主な治療 | ニトログリセリン(舌下)、 β遮断薬、スタチン、生活習慣改善 | PCI(カテーテル)、血栓溶解、 バイパス手術、抗血小板薬 |
| 入院の必要性 | 不要(外来通院) | 必須(CCU入室、10〜14日入院) |
| 予後 | 良好(心筋は生きてる) | 重症化リスク高(心不全・不整脈) |
| 再発リスク | あり(進行すると心筋梗塞に) | 再発・突然死の危険大 |
| 死亡率 | ほぼ0%(急性期) | 約10〜15%(治療遅れで30%超) |
イメージで覚える!
| 状況 | 狭心症 | 心筋梗塞 |
|---|
| 水道管の例 | ホースがつぶれて水が少ない → 手を離すと元に戻る | ホースが完全に詰まる → 水が止まり、管が破裂 |
| 痛みの例 | 「走ったら胸が苦しい…休んだら治る」 | 「寝てても胸が痛い!冷や汗が…」 |
| 治療の例 | 「ニトロ持ってれば大丈夫」 | 「119番!カテーテルで血管開通!」 |
重要なポイント:狭心症は「心筋梗塞の前兆」
- 労作性狭心症 → 放置すると不安定狭心症 → 心筋梗塞へ進行!
- 不安定狭心症(安静時も痛む、頻度↑)は心筋梗塞と同等の緊急性!
診断の決め手(病院での検査)
| 検査 | 狭心症 | 心筋梗塞 |
|---|
| 心電図 | 運動負荷でST低下 | ST上昇+Q波 |
| 血液検査 | トロポニン 正常 | トロポニン 急上昇 |
| 冠動脈造影 | 血管狭窄(50〜90%) | 血管完全閉塞(100%) |
まとめ
| 狭心症 | 心筋梗塞 |
|---|
| 「警告」 | 「緊急事態」 |
| 運動で痛い → 休めば治る | 安静でも痛い → 20分以上 |
| 心筋は生きてる | 心筋が死ぬ |
| 外来でOK | 即入院・カテーテル |
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