脱臼の種類と過去に脱臼したことがあると、同じ関節が脱臼しやすくなる原因について

**脱臼(だっきゅう)**は、関節を構成する骨が本来の位置からずれてしまう状態を指します。完全にずれる「完全脱臼」と、一部がずれる「不完全脱臼(亜脱臼)」に分類されます。以下に、脱臼の主な種類について説明します。

脱臼の種類について


1. 外傷性脱臼

  • 原因:転倒、スポーツ中の衝撃、交通事故など
  • 特徴:関節に強い外力が加わり、骨が正常な位置から外れる
    • 肩関節脱臼(最も多い。投球動作や転倒で発生)
    • 肘関節脱臼(転倒時に手をついたときに発生)
    • 指の脱臼(ボール競技や格闘技で起こりやすい)

2. 習慣性脱臼

  • 原因:過去に脱臼を繰り返し、関節が緩くなっている
  • 特徴:わずかな力でも脱臼しやすくなる(例:寝返りや軽い動作)
    • 肩関節の習慣性脱臼(一度脱臼すると再発しやすい)

3. 先天性脱臼

  • 原因:生まれつき関節の形成異常がある
  • 特徴:出生時や幼少期に発見されることが多い
    • 先天性股関節脱臼(乳児期に発見されやすい)

4. 病的脱臼

  • 原因:関節を支える靭帯や骨が病気で弱くなる
  • 特徴:外力がなくても脱臼することがある
    • リウマチ性脱臼(関節リウマチによる関節の変形で発生)
    • 神経・筋疾患による脱臼(脳性麻痺などで関節が不安定になる)

脱臼の治療方法

  1. 整復(元の位置に戻す)
    • 専門医が関節を正常な位置に戻す
    • 無理に自分で戻すと神経や血管を傷つける可能性がある
  2. 固定
    • 脱臼が再発しないようにギプスやバンドで固定(1~3週間)
  3. リハビリ
    • 筋力トレーニングやストレッチで関節の安定性を向上
  4. 手術(必要な場合)
    • 習慣性脱臼や靭帯損傷がある場合、手術で関節を安定させる

脱臼は放置すると関節が不安定になりやすいので、早めの治療が大切です。

過去に脱臼したことがあると、同じ関節が脱臼しやすくなる原因について

過去に脱臼したことがあると、同じ関節が脱臼しやすくなるのは、いくつかの理由があります。特に肩関節などは、脱臼を繰り返しやすい部位として知られています。


1. 靭帯や関節包が伸びる・損傷する

靭帯(じんたい)や関節包(かんせつほう)は、関節を安定させる役割を持っています。しかし、一度脱臼すると、これらの組織が伸びたり損傷したりしてしまい、関節の固定力が弱まります。
🔹 結果:外力が少し加わっただけでも、再び脱臼しやすくなる。


2. 骨のくぼみ(関節窩)が削れて浅くなる

関節の骨には、骨同士がはまる「くぼみ(関節窩)」があります。脱臼を繰り返すと、このくぼみの形が変わり、骨が削れて浅くなることがあります。
🔹 結果:関節がズレやすくなり、少しの動きで脱臼しやすくなる。


3. 関節を支える筋肉のバランスが崩れる

脱臼後に適切なリハビリを行わないと、関節を支える筋肉(特にインナーマッスル)が弱くなることがあります。
🔹 結果:筋力が低下し、関節が安定せず、再脱臼しやすくなる。


4. 神経の影響で関節の感覚が鈍くなる

脱臼を繰り返すと、関節の位置を感じるセンサー(固有受容感覚)が鈍くなります。
🔹 結果:関節の異常な動きを感知しにくくなり、気づかないうちに脱臼しやすくなる。


どうすれば再発を防げる?

✅ リハビリで筋力を強化(特にインナーマッスル)
✅ ストレッチと可動域トレーニング(関節の柔軟性を高める)
✅ 装具やサポーターの使用(負担を軽減)
✅ 手術(必要に応じて)(関節の安定性を高める)

過去に脱臼した経験がある場合は、予防のために適切なリハビリがとても重要です!