
脳出血は、適切な対策を講じることで「ほぼ確実にリスクを減らせる」病気です。発症してしまうと重篤な後遺症を残す可能性が高いため、予防が何よりも重要となります。
脳出血の予防法 エビデンス順にランキング
| 順位 | 予防法 | 脳出血リスク低下率(研究データ) | 具体的にどうすればいいか |
|---|---|---|---|
| 1 | 高血圧の厳格管理 | 約50〜70% ↓(一番効果大) | 自宅で毎日血圧測定 → 診察室130/80未満、家で125/75未満を目指す |
| 2 | 禁煙 | 約40〜50% ↓ | 完全にゼロにする(電子タバコもダメ) |
| 3 | 節酒(男性1日25g、女性12.5g以下) | 約30% ↓ | 日本酒なら1合、ビールなら大瓶1本まで |
| 4 | 抗凝固薬・抗血小板薬の適正使用 | 出血リスク2〜5倍になる薬もある | 医師と相談して「本当に必要か」「出血リスクが高い薬ではないか」確認 |
| 5 | 運動(週150分の中強度) | 約25〜30% ↓ | 早歩き、泳ぐ、自転車など |
| 6 | 減塩(1日6g未満) | 約20〜25% ↓ | 味噌汁1杯、漬物少しに抑える |
| 7 | 定期的な脳ドック(40歳以上) | 無症候性微小出血や未破裂動脈瘤を早期発見 | 特に家族に脳出血・くも膜下出血がいる人は年1回 |
年代別・リスク別 あなたが今すぐやるべき予防リスト
| あなたの状況 | 今すぐ始めるべきこと(優先順位) |
|---|---|
| 40〜50代、血圧が少し高い | ①自宅血圧計購入 → 毎朝測定 ②減塩+毎日30分歩く ③1年以内に脳ドック(MRI) |
| 60歳以上、血圧140〜160mmHgくらい | ①降圧薬をきちんと飲む ②塩分6g未満 ③転倒予防(家の段差解消、筋トレ) |
| 心房細動で抗凝固薬(ワーファリン・DOAC)飲んでいる | ①出血リスク評価(HAS-BLEDスコア)を主治医に聞く ②頭を打たない生活 ③定期的に頭部CT/MRI |
| 家族(親・兄弟)に若くして脳出血・くも膜下出血がいる | ①40歳になったらすぐMRA(脳血管撮影) ②血圧は120/80未満をキープ |
| お酒を毎日日本酒2合以上飲んでいる | ①まず1合までに減らす ②週2日は完全休肝日 ③肝臓の数値も一緒に下げる |
2025年現在、注目されている「新しい予防法」
- 微小出血(microbleeds)のチェック
MRIで「脳に小さな出血の跡が10個以上」ある人は、厳格降圧(110〜120mmHg台)にした方が脳出血が少ないという大規模研究が出ました。 - 睡眠時無呼吸症候群の治療
CPAPを使うと夜間の急激な血圧上昇が抑えられ、脳出血リスクが約30%下がります。 - SGLT2阻害薬・GLP-1作動薬(糖尿病治療薬)
糖尿病がなくても血圧を下げ、血管を強くする効果が認められつつあります(医師と相談)。
1日でできる「脳出血リスク激減ルーティン」例
- 朝 起きてすぐ血圧測定 → 135以上なら塩分ゼロ朝食
- 朝食 味噌汁は具だくさんで薄味、納豆・野菜中心
- 通勤 1駅歩く or 自転車
- 昼 弁当持参(コンビニおにぎり+サラダ)
- 夕 お酒はビール中ジョッキ1杯まで
- 夜 20分ストレッチ or 散歩
- 寝る前 もう一度血圧測定
これを続けるだけで、5年後の脳出血リスクは半分以下になります。
