脳出血は、命に関わる急性期を脱した後も、リハビリテーションのために長い入院期間を要するケースが多い疾患です。しかし、2025年現在、医療制度や治療技術の進化により、入院期間は以前より短縮傾向にあります。
脳出血の入院期間(病院別・状態別)
| 出血の種類・重症度 | 急性期病院(救急〜手術後) | 回復期リハビリ病院への転院 | 合計入院期間の目安 | 備考(2025年現在) |
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| 軽症(出血10〜20mL、手足に力が入る、意識清明) | 2〜4週間 | 転院不要(自宅退院が多い) | 2〜6週間 | 最近はどんどん短縮傾向 |
| 中等症(出血30〜50mL、片麻痺あり、意識ははっきり) | 3〜6週間 | 2〜4ヶ月 | 3〜5ヶ月 | 一番多いパターン |
| 重症(出血50mL以上、意識障害、手術した) | 4〜10週間 | 3〜6ヶ月 | 5〜10ヶ月 | 脳室ドレナージなど合併症で延びる |
| 小脳出血(手術した場合) | 3〜5週間 | 1〜3ヶ月 | 2〜4ヶ月 | 手術すれば意外と早く退院できる |
| 脳幹(橋)出血(生存した場合) | 2〜6ヶ月(ICU長い) | 6ヶ月〜1年以上 | 1〜2年以上 | 気管切開・胃瘻が長引く |
| 高齢者(80歳以上)+肺炎・誤嚥を繰り返す | 1〜3ヶ月 | 転院せず老健or自宅 | 3〜6ヶ月 | 回復期病院に入れないケース増加 |
2025年現在「入院が短くなっている」主な理由
| 変化内容 | 入院期間への影響 |
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| 内視鏡手術・定位吸引術の普及 | 開頭より回復が2〜3週間早い |
| 回復期リハビリ病院のベッド増加 | 急性期病院は早く出せるようになった |
| 訪問リハビリ・通所リハビリの充実 | 3ヶ月以降は自宅+デイケアでOKに |
| 介護保険の「加算」変更 | 150日超えると病院の収入が激減 → 積極的に退院調整 |
実際の退院タイミングの目安(家族が聞かれる質問)
| 医師が言う言葉 | だいたいあと何日で退院? |
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| 「来週には回復期病院に転院できそうです」 | 急性期はあと3〜10日 |
| 「意識が安定したのでリハビリ病院を探します」 | あと1〜3週間 |
| 「もう転院先が見つからないので自宅調整します」 | あと2〜4週間で自宅 |
| 「150日を超えそうなので退院に向けて…」 | あと1〜2週間で強制退院(老健or自宅) |
自宅退院できる人の条件(2025年最新チェックリスト)
- 車椅子でも自宅のトイレ・お風呂に入れる(段差解消済み)
- 家族か訪問介護が1日3回以上来られる
- 訪問リハビリ+デイケアが週3〜5日入れられる
- むせずに普通食か刻み食が食べられる