
脳卒中は、日本で要介護になる原因の第1位であり、年間10万人以上が発症する国民病です。脳の血管が詰まる**脳梗塞(70〜80%)と、血管が破れる脳出血・くも膜下出血(20〜30%)**の2大タイプに分けられ、どちらも発症直後の対応が、その後の人生を大きく左右します。
脳卒中のタイプ
| 種類 | 割合 | 仕組み | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 脳梗塞 | 約70-80% | 脳の血管が詰まる | 徐々に症状が出ることも多い |
| 脳出血 | 約15-20% | 脳の血管が破れて出血する | 急激に症状が重くなることが多い |
| くも膜下出血 | 約5-10% | 脳の表面の動脈瘤が破裂 | 突然の激しい頭痛(“ハンマーで叩かれたような”)が特徴 |
主な原因・危険因子
- 高血圧(一番重要!)
- 糖尿病
- 脂質異常症(高コレステロール)
- 喫煙
- 過度な飲酒
- 心房細動(不整脈の一種)
- 肥満・運動不足
- 加齢(65歳以上で急増)
突然現れる主な症状(FASTで覚えよう!)
| 記号 | 意味(英語) | 日本語 | チェック方法 |
|---|---|---|---|
| F | Face drooping | 顔がゆがむ | 笑ってもらって片側だけ口角が上がらないか |
| A | Arm weakness | 腕が上がらない | 両腕を前に出して片方だけ下がるか |
| S | Speech difficulty | 言葉がもつれる・出ない | 「今日はいい天気ですね」と話してもらう |
| T | Time to call 119 | すぐに119番! | 上記があれば1秒でも早く救急車を! |
他にも突然の
- 激しい頭痛
- めまい・ふらつき
- ものが二重に見える
- 片側のしびれ・麻痺 などがあれば脳卒中の可能性大です。
発症したら「時間=脳」です!
- 脳梗塞の場合、特に発症から4.5時間以内にt-PA(血栓溶解薬)を使えると後遺症が劇的に減ります。
- だから「ちょっと様子を見よう」は絶対ダメ!すぐに119番!
予防のために今すぐできること
- 血圧を測る習慣をつける(140/90未満が目標)
- 禁煙する
- 塩分6-7g/日以内(日本人の平均は10g以上)
- 毎日30分以上の運動
- 野菜・魚中心の食事
- 心房細動がある人は抗凝固薬をちゃんと飲む
一言で言うと、**脳卒中は「生活習慣病の集大成」**です。
