
脳卒中の急性期治療を乗り越えた後、患者さんとご家族が直面するのが、後遺症との闘いです。この後遺症の種類や重さは、発症した脳梗塞、脳出血、くも膜下出血というタイプによって大きく異なり、回復のプロセスもそれぞれ異なります。
脳卒中3種類の後遺症の違い
| 項目 | 脳梗塞 | 脳出血 | くも膜下出血 |
|---|---|---|---|
| 後遺症が残る確率 | 約50〜70% | 約70〜80% | 約40〜60%(生存者の場合) |
| 一番多い後遺症 | 片麻痺(片方の手足が動かない) | 片麻痺+高次脳機能障害 | 記憶障害・集中力低下・性格変化 |
| 麻痺の重さ | 軽い〜超重度までバラバラ | ほぼ重度 | 麻痺は少ない(あっても軽いことが多い) |
| 言葉が出にくい(失語) | ◎ すごく多い(特に左脳) | ○ そこそこ | △ 少ない |
| 認知症になりやすい? | ラクナ梗塞を繰り返すと高確率 | かなり高い | 若い人でもなる(特に前頭葉近くの出血) |
| 性格が変わる | 軽度ならあまり変わらない | よく怒る・感情失禁が出やすい | めっちゃ変わる人が多い(やる気ゼロなど) |
| うつ病になりやすい | ○ そこそこ | ◎ すごく多い | ◎ 生存者の半分以上 |
| てんかん(発作) | 約5〜10% | 約20〜30% | 約10〜20% |
| 歩けるようになる確率 | 約60〜80%(血栓回収なら90%以上も) | 約30〜50% | 約80〜90% |
| 仕事復帰できる確率 | 軽度なら50〜70% | 20〜40% | 50〜70%(でも「前と同じように」は難しい) |
| 一番つらい後遺症(患者さんの声) | 「手が動かない・感覚がない」 | 「半分動かない+頭がボーッとする」 | 「頭が働かない・疲れやすい・やる気が出ない」 |
| 後遺症が軽くなる最大のポイント | 発症→治療までの時間が短いほど劇的に軽くなる! | 出血量が少ない+早く血圧下げた人 | 再出血&血管攣縮を防げた人 |
まとめ(患者さんがよく言う一言)
- 脳梗塞 → 「手足が動かないけど頭ははっきりしてる」
- 脳出血 → 「半身麻痺+頭がずっとモヤモヤしてる」
- くも膜下出血 → 「体は動くけど頭が昔の自分じゃない…」
最近は脳梗塞の後遺症が一番軽くなっています(血栓回収療法のおかげで「奇跡の回復」が本当に増えました!)
