脳梗塞のサインを見逃すな!発症4.5時間以内の治療法と予防について

脳梗塞は、脳の血管が詰まり、血流が途絶えることで脳組織が壊死してしまう、**一刻を争う病気**です。脳卒中の約70〜80%を占め、発症すると麻痺や言語障害などの重い後遺症を残す可能性があります。 脳梗塞の基本から、発症時に誰もが知っておくべき**緊急サイン(FAST)**、そして最新の**治療法**までを分かりやすく解説します。 特に重要なのは「時間」です。**発症から4.5時間以内**であれば、血栓を溶かすt-PA療法が適用できる可能性があり、その後の回復に大きく影響します。

1. 脳梗塞とは?

脳梗塞は、脳の血管が詰まって血流が途絶え、脳組織が酸素不足で壊死(えし)する病気です。
脳卒中の約70〜80%を占め、日本では毎年約10万人が発症しています。


2. 原因と種類

種類特徴原因
ラクナ梗塞小さな血管が詰まる高血圧、糖尿病、喫煙
アテローム血栓性梗塞大きな血管が動脈硬化で詰まる動脈硬化(コレステロール、喫煙、加齢)
心原性脳塞栓症心臓から血栓が飛ぶ心房細動、不整脈

3. 主な症状(FASTで覚えよう)

  • Face(顔):片側の口角が下がる、笑顔が歪む 
  • Arm(腕):片方の腕が上がらない、力が入らない 
  • Speech(言葉):ろれつが回らない、言葉が出ない 
  • Time(時間):すぐに救急車を呼ぶ!

その他:突然の激しい頭痛、めまい、視野欠損、しびれ、歩けないなども。


4. 治療

タイミング治療法
発症4.5時間以内t-PA(血栓溶解薬):血栓を溶かす
発症24時間以内血栓回収療法:カテーテルで血栓を取り除く
それ以降抗血小板薬(アスピリンなど)、リハビリ

「時間=脳」。1分遅れるごとに190万個の脳細胞が失われると言われています。


5. 予防法

  1. 血圧管理(140/90未満を目指す) 
  2. 禁煙
  3. 適度な運動(1日30分以上のウォーキング) 
  4. 糖尿病・脂質異常症の治療
  5. 心房細動のチェック(不整脈があれば抗凝固薬)

6. 後遺症

  • 片麻痺(片側の手足のまひ) 
  • 言語障害(失語症) 
  • 嚥下障害(飲み込みにくい) 
  • 認知機能低下