酸化温度から考える食用油の正しい使い方について

食用油は、温度が10℃上がるごとに酸化速度が約2倍になると言われています。特に揚げ物に使われる160℃以上の高温下では、短時間で油が劣化します。

酸化しやすい油と酸化しにくい油

油の酸化しやすさは、含まれる脂肪酸の種類によって大きく異なります。

  • 酸化しやすい油多価不飽和脂肪酸を多く含む油。分子構造が不安定なため、光や熱で酸化しやすいです。サラダなど加熱しない料理に適しています。
    • :アマニ油、えごま油、グレープシードオイル、サラダ油(大豆油、コーン油)
  • 酸化しにくい油飽和脂肪酸一価不飽和脂肪酸を多く含む油。分子構造がが安定しているため、熱に強く酸化しにくいです。加熱調理に向いています。
    • :ココナッツオイル、バター、ラード、オリーブオイル、米油、ごま油、菜種油

油の劣化の兆候

油が酸化すると、以下のような兆候が現れます。

  • :透明感がなくなり、色が濃くなる。
  • 粘度:粘り気やベタつきが増す。
  • :揚げ物中に泡立ちが激しくなり、消えにくくなる。
  • ニオイ:不快な油臭さや酸っぱいニオイがする。
  • 発煙点:酸化した油は発煙点が低くなるため、低い温度で煙が出始める。

酸化した油を使い続けると、健康への悪影響も懸念されるため、これらの兆候が見られたら、新しい油に交換しましょう。

油の酸化と温度の関係

  • 常温(20℃〜30℃):光や酸素に触れることによる「自動酸化」がゆっくりと進みます。特に多価不飽和脂肪酸を多く含む油は、常温でも酸化しやすいです。
  • 加熱時(150℃〜200℃):調理中、特に揚げ物では油の温度が150℃〜200℃に達するため、酸化が急速に進みます。この高温下での酸化は**「熱酸化」**と呼ばれ、自動酸化とは異なる生成物が形成されます。油の劣化を示す兆候として、発煙点(煙が出始める温度)が低下することが挙げられます。新鮮な油の発煙点は約230℃前後ですが、酸化が進むと170℃程度まで下がることがあります。
  • 保存温度(15℃〜25℃):油の保存に最適な温度は**15℃〜25℃**の冷暗所です。冷蔵庫に入れると油が固まったり、容器に水滴が付いて品質が劣化する可能性があるため、避けましょう。

油の種類と酸化のしやすさ

油の種類によって酸化しやすい温度帯や耐熱性が異なります。

脂肪酸の種類特徴主な油の種類適した調理方法
飽和脂肪酸分子構造が安定しており、酸化しにくい。ココナッツオイル、バター、ラード揚げ物、炒め物など、加熱調理全般
一価不飽和脂肪酸飽和脂肪酸よりは酸化しやすいが、比較的安定している。オリーブオイル、米油、ごま油、菜種油揚げ物、炒め物など、加熱調理全般
多価不飽和脂肪酸分子構造が不安定で、酸化しやすい。アマニ油、えごま油、グレープシードオイル、サラダ油(大豆油、コーン油)ドレッシングなど、加熱しない調理