
面接で「副業をしてもいいか?」と直接的に質問するのは避けたほうが無難です。
理由は以下の2つです。
「副業をしてもいいか?」の質問を避ける理由
- 企業にネガティブな印象を与える可能性がある 「この人は、入社後も副業に力を入れて、うちの仕事がおろそかになるのでは?」と企業側に懸念を抱かせてしまう可能性があります。企業は、自社の業務にコミットしてくれる人材を求めています。
- 本来の志望動機が疑われる可能性がある 「入社したい理由が、副業のための収入源確保だけなのでは?」と、仕事への熱意や志望動機を疑われてしまうリスクがあります。
どうしても聞きたい場合は?
企業の副業に対するスタンスをどうしても知りたい場合は、聞き方を工夫する必要があります。
- 入社後の働き方について質問する 「入社後、自己啓発やスキルアップのために、どのような時間を確保できますか?」といった質問を通して、企業の風土や考え方を探ってみましょう。企業によっては、業務時間外の自主的なスキルアップを推奨している場合があり、それが副業と解釈できる場合もあります。
- 企業文化や成長機会について質問する 「社員のキャリア形成やスキルアップをどのように支援されていますか?」と質問し、その答えから、副業に対するスタンスを推測してみるのも一つの方法です。
副業に対する企業のスタンスを調べる方法
面接で直接聞く前に、事前にリサーチできることもあります。
- 企業の採用ページや募集要項を確認する 副業を推奨している企業の場合、採用ページなどに「副業OK」「サイドビジネス推奨」といった記載があることがあります。
- OB・OG訪問や転職エージェントに相談する 実際にその企業で働いている人や、その企業に詳しいエージェントに話を聞くのが最も確実な方法です。
面接は、あなた自身が企業に貢献できることをアピールする場です。 副業に関する質問は、入社が内定し、労働条件を確認するタイミングや、入社後の人事面談などで質問する方が、双方にとって良いでしょう。
面接での質問のポイント
- 質問は面接の終盤に行う:面接の序盤や中盤では、志望動機や自己PRに集中しましょう。質問は、あなたが企業に深く関心を持っていることを示すためのものであり、入社意欲をアピールした後に聞くのが効果的です。
- 「逆質問」の時間を活用する:「何か質問はありますか?」と聞かれたタイミングで、事前に準備しておいた質問をしましょう。
- 企業研究を徹底する:企業のウェブサイトや採用情報、ニュースリリースなどを事前に確認し、「この企業なら副業に寛容かもしれない」という仮説を立ててから質問をしましょう。
質問の仕方一つで、あなたの印象は大きく変わります。ぜひ、これらの質問例を参考に、あなたの状況に合った質問を準備してみてください。
特に避けるべき質問と、その理由
1. 待遇や条件に関する質問(初期段階)
面接の早い段階で、給与や休暇など待遇面ばかりに触れると、仕事内容への関心が薄いと判断されがちです。
避けるべき質問例 | 企業が抱く懸念(裏側の心理) |
「残業はどれくらいありますか?」 | 「残業を嫌がっている。うちの業務にフルコミットする気がないのでは?」 |
「有給は初年度で何日もらえますか?」 | 「入社前から休むことばかり考えている。」 |
「給与は具体的にいくらになりますか?」 | 「条件やお金が第一で、仕事内容や社風に関心がない。」 |
「住宅手当や退職金はありますか?」 | 「福利厚生が充実していることだけを重視している。」 |
【ポイント】 待遇に関する質問は、最終面接や内定後に提示される労働条件を確認するタイミングで聞くのが適切です。それまでは、仕事内容や会社への貢献についてのアピールに集中しましょう。
2. 自分で簡単に調べられることに関する質問
企業のウェブサイトや採用ページ、ニュースリリースなど、少し検索すればすぐに分かる情報を面接で質問するのは、準備不足と見なされます。
避けるべき質問例 | 企業が抱く懸念(裏側の心理) |
「御社の主力商品は何ですか?」 | 「ウチの会社に興味がない。全く企業研究をしていない。」 |
「設立は何年ですか?/従業員は何人いますか?」 | 「やる気がない。うちの面接に時間を割く価値があるのか?」 |
「募集要項に書いてある○○の事業って何ですか?」 | 「自分で考える力がない。指示待ち人間なのでは?」 |
【ポイント】 質問をする際は、「御社のウェブサイトで拝見した○○という事業について、現在の進捗や注力している点はありますか?」のように、事前に調べた上での深掘りという形で聞くようにしましょう。
3. 他社への応募状況や選考の進捗を問う質問
面接官の立場や権限を超えた、選考プロセスに関する質問は避けた方が無難です。
避けるべき質問例 | 企業が抱く懸念(裏側の心理) |
「選考結果はいつ頃分かりますか?」 | (催促されているようで)「結果はきちんと連絡する。焦りすぎている。」 |
「私の他に何人くらい応募していますか?」 | 「他人の状況が気になる。自信がないのでは?」 |
「不採用だった場合、理由は教えてもらえますか?」 | 「(まだ選考中なのに)不採用になる前提で話を進めている。」 |
【ポイント】 選考結果の通知時期については、面接の終わりに面接官から説明がある場合が多いです。もし説明がない場合は、「本日の選考結果について、ご連絡いただける時期の目安を教えていただけますでしょうか?」と、丁寧な表現で確認するようにしましょう。
面接で「良い質問」をするためのポイント
面接の終盤の「何か質問はありますか?」という時間は、企業への関心の高さと入社後の意欲をアピールする最後のチャンスです。
良い質問とは、以下のようなものです。
- 入社後の活躍に焦点を当てた質問 例:「御社で活躍されている方に共通する特徴は何ですか?」
- 仕事の進め方やチーム体制について掘り下げる質問 例:「○○(応募職種)の業務は、入社後どのような流れで引き継ぎ、チームに貢献していくことになりますか?」
- 企業の将来や課題に対する質問 例:「今後3年で、御社が最も克服したいと考えている事業上の課題は何ですか?また、その解決に私がどのように貢献できるでしょうか?」
これらの質問を通じて、仕事内容への熱意と企業への貢献意欲をしっかりとアピールしてください。