高血圧の自覚症状について、診断されたらどうなる?

高血圧(高血圧症)は「サイレントキラー」とも呼ばれることが多く、初期段階では自覚症状がほとんどないため、自分で気づくのは難しい場合が多いです。以下に、高血圧の自覚症状や、どのようにして自分で確認できるかについて説明します。

高血圧の自覚症状

高血圧は多くの場合、明確な症状が現れませんが、進行すると以下のような症状が出ることがあります。

  1. 頭痛: 特に朝方に感じることが多い。
  2. めまい: 突然のめまいやふらつき。
  3. 耳鳴り: 耳の中で音がする感覚。
  4. 動悸: 心臓が速くなる、ドキドキする。
  5. 視力の低下: 視界がぼやける、かすむ。
  6. 疲労感: いつもより疲れやすい。

これらの症状は他の病気でも見られるため、高血圧特有のものではありません。

自分で高血圧を確認する方法

1.家庭用血圧計を使用する

  • 定期的な測定: 自宅で定期的に血圧を測定することで、自分の血圧の変動を確認できます。1日2回(朝と晩)の測定を推奨します。
  • 正常な血圧の範囲: 一般的に、収縮期血圧が120mmHg未満、拡張期血圧が80mmHg未満が正常とされています。家庭血圧では135/85mmHg以上が高血圧の基準となります。

2.健康診断を受ける

  • 定期的な健康診断: 定期的に健康診断を受けることで、高血圧の早期発見につながります。血圧測定は健康診断の基本項目の一つです。

3.医療機関での診断

  • 医師の診断: 何らかの症状を感じた場合や家庭での血圧測定で高血圧が疑われる場合は、医療機関で診断を受けることが重要です。

高血圧と診断された場合

高血圧と診断された場合、医師は以下のような治療や生活習慣の改善を勧めます:

1.生活習慣の改善

  • 食事療法: 減塩食を推奨されることが多いです。また、バランスの取れた食事、特に野菜や果物、全粒穀物を多く摂ることが推奨されます。
  • 運動: 定期的な有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など)が推奨されます。
  • 体重管理: 適正体重の維持が重要です。肥満がある場合は減量を目指します。
  • 飲酒と喫煙: 飲酒は適量に抑え、禁煙を推奨されます。

2.薬物療法

  • 降圧薬: 生活習慣の改善だけでは血圧が十分に下がらない場合、医師は降圧薬を処方します。降圧薬にはACE阻害薬、ARB、利尿薬、β遮断薬、カルシウム拮抗薬などさまざまな種類があります。

3.定期的なモニタリング

  • 血圧の定期測定: 定期的に血圧を測定し、記録します。家庭用血圧計を使って自宅で測定することが一般的です。
  • 定期受診: 医師の指導のもと、定期的に受診し、治療効果や副作用の確認を行います。

予後

高血圧は適切な治療と管理が行われれば、予後は良好です。ただし、治療を怠ると以下のような合併症を引き起こすリスクがあります:

  • 心血管疾患: 心筋梗塞、狭心症、心不全など。
  • 脳血管疾患: 脳卒中(脳出血や脳梗塞)。
  • 腎臓疾患: 腎不全や慢性腎臓病。
  • 目の障害: 高血圧性網膜症。

これらの合併症を予防するためにも、血圧管理は非常に重要です。

高血圧の患者数

日本

日本では高血圧の有病率は高く、成人の約3人に1人が高血圧とされています。具体的な数値としては、日本高血圧学会によると、約4300万人の成人が高血圧に該当するとの報告があります。

世界

世界保健機関(WHO)によると、世界中で推定11億人が高血圧に罹患しているとされています。特に低・中所得国で高血圧の有病率が高い傾向があります。

まとめ

高血圧は初期段階では自覚症状がほとんどないため、自分で気づくのは難しいですが、家庭用血圧計を使った定期的な測定や、定期的な健康診断を受けることで早期発見が可能です。高血圧が疑われる場合や症状を感じた場合は、医療機関での診断を受けることをお勧めします。

高血圧と診断された場合、生活習慣の改善と必要に応じて薬物療法を行います。適切な管理が行われれば、予後は良好です。日本では約4300万人、世界では推定11億人が高血圧に罹患しているため、高血圧は非常に一般的な健康問題です。定期的な血圧測定と医師の指導に従った治療が重要です。