アメリカ農務省(USDA)とアメリカ保健福祉省(HHS)が共同で作成する「食事ガイドライン for Americans」での食事の摂取量について

アメリカ農務省(USDA)とアメリカ保健福祉省(HHS)が共同で作成する「食事ガイドライン for Americans(Dietary Guidelines for Americans)」は、アメリカ国民の健康を促進するための栄養と食事に関するアドバイスを提供しています。このガイドラインは、健康的な体重の維持、慢性疾患の予防、健康寿命の延伸を目的としており、約5年ごとに改訂されます。

主要なポイント:

  1. 栄養バランスの取れた食事: ガイドラインでは、主に以下の5つの食品グループをバランスよく摂取することが推奨されています:
    • 野菜:葉物野菜、赤とオレンジの野菜、豆類、根菜、その他の野菜を多く含むことが推奨されます。
    • 果物:新鮮な果物、冷凍果物、缶詰の果物も含まれますが、できるだけ砂糖が加えられていないものが推奨されます。
    • 全粒穀物:全粒粉のパンやパスタ、玄米などの全粒穀物が推奨されています。
    • タンパク質源:赤身の肉、鶏肉、魚、大豆製品、豆類、ナッツ、卵が推奨されます。
    • 乳製品:無脂肪または低脂肪の乳製品、あるいはカルシウム強化型の植物性飲料が推奨されています。
  2. 過剰摂取の制限
    • 砂糖:総カロリーの10%未満に抑えることが推奨されます。
    • 飽和脂肪酸:動物性脂肪や加工食品から摂取される飽和脂肪酸は、全カロリーの10%以下に制限することが推奨されます。
    • 塩分:1日あたり2300ミリグラム以下に抑えるべきとされています。高血圧の人はさらに減らすことが推奨されます。
    • アルコール:1日の摂取量は、男性で2杯、女性で1杯までに抑えることが推奨されます。
  3. カロリー管理と体重維持: ガイドラインでは、摂取するカロリーと消費するカロリーのバランスをとることが重要だとされています。特に、高カロリーで栄養価の低い食品の過剰摂取を避けることが推奨されています。
  4. ライフステージに応じた栄養: ガイドラインは、乳幼児、妊婦、高齢者など、異なるライフステージに応じた食事の必要性を強調しています。特に妊娠中や授乳中の女性に対しては、特定のビタミンやミネラル(例:葉酸や鉄分)の重要性が述べられています。

具体的な推奨摂取量:

年齢や性別、活動量によって推奨される食品の量は異なりますが、一般的な成人向けのガイドラインとして、以下のような指標があります:

  • 野菜:1日あたり約2.5~3カップ。
  • 果物:1日あたり約2カップ。
  • 全粒穀物:全粒穀物を含む穀物類を1日あたり6オンス(約170グラム)。
  • タンパク質源:1日あたり約5.5オンス(約155グラム)。
  • 乳製品:無脂肪または低脂肪のものを1日あたり約3カップ。

健康的な食生活のためのアプローチ:

このガイドラインでは、単に個別の栄養素だけに焦点を当てるのではなく、全体的な食事パターンに注目しています。これは、食事がもたらす健康への影響を長期的に考慮したものであり、適切な栄養バランスを取ることが病気予防に繋がるとしています。

参考リンク:

詳細なガイドラインの内容や推奨摂取量は、Dietary Guidelines for Americans の公式サイトで確認できます。