透析を行う上で重要になってくる除水。
今回は除水を行う理由や方法とそれに伴う副作用について詳しく書いていこうと思います。
除水を行う理由
除水を行う理由としては透析を行なっている患者さんは基本的には腎機能が悪くなってしまっている状態にいます。
腎機能が悪くなっている状態とは
- 体の水分が排出できない
- 体の血液を綺麗にできない
この2つの状態のどちらか一つもしくは両方を満たすことが腎不全の状態になります。
そして体の水分を排出する目的で行われるのが除水です。
除水を行うことで体の余分な水分を外に排出することができます。
本来ならおしっことして出ていく水分を透析で外に排出するということです。
もし除水を行わなかった場合はどうなるかというと
体に水分が溜まり続けてしまうので
- 血管の中に水分が貯まる
- 血管から水が溢れ出てむくみが出る。(浮腫)
- むくみが出ても受けきれなくなった水は肺に溜まって息苦しくなる。(肺水腫)
- そこでも受けきれなければ心臓が膨らむ。(心肥大)
体は水が溜まっても体の大切な部分である脳や心臓、肺等を守ろうとしますが最終的にはダメージがいく結果になってしまいます。
体をこの状態にしない為にも除水は必要になってきます。
ではそんな透析で重要な役割をしている除水の副作用はというと、
簡単に言うと除水を行うことによる脱水状態になります。
除水で脱水になる原因はこの2つです。
- ドライウェイト(基準となる体重)があっていなくて除水を行い過ぎている。
- 一気に除水を行い過ぎている。
透析を行なっている人も基本的には普通の人と同じ様に体重の60%程度が水分になるのが正常です。
透析患者ではこの水分が多くなってしまうので、この体重の60%程度の水分になるように調整したものがドライウェイトになります。
そしてそのドライウェイトを下回る体重になってくると脱水が起こります。
また、一気に除水を行い過ぎても脱水は起こります。
透析では血液の中から水を引いてきて除水を行なっていますが血液は体重の1/13しかありません。
%で表すと7.6%です。
というのも体の水分の多くは筋肉の中にあるからです。
除水を行なって減った水分を筋肉から補充するという訳です。
その為、水分の補充が追いつかなくなると脱水が起こってしまいます。
この除水のし過ぎによる脱水を防ぐ為には、暴飲暴食をしないで塩分を控えることもしくは過度なダイエット等を行わないようにして体重の増減をできるだけ少なくすることが対策になります。
体の状態が安定していればそれだけ無理な除水を行う必要はなくなりますので食生活を改善することで除水の副作用が小さくなります。
透析のつらさの原因については被ってしまう内容もありますがこちらでもまとめていますのでご参照下さい。
最後まで読んで下さってありがとうございました。参考にして頂けたら嬉しいです。
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