お互いに収入がある共働き夫婦の場合、結婚によって新たに使えるようになる制度や控除があります。以下に主なものを挙げます。
1. 配偶者特別控除
- 概要
配偶者控除は、配偶者の収入が103万円以下である場合に適用されますが、配偶者特別控除は、配偶者の収入が103万円を超え201万円以下の場合に適用される制度です。 - 控除額
配偶者の年収に応じて、段階的に控除額が減少します。最大で38万円の所得控除を受けられます。 - メリット
共働きでも片方の収入が一定以下の場合、節税効果があります。
2. 住宅ローン控除(住宅取得資金贈与特例も含む)
- 概要
夫婦で住宅ローンを組む場合、それぞれが所得税から控除を受けられる可能性があります。- 住宅ローン控除は年末残高の1%(上限あり)を控除。
- 合算ローンの場合、夫婦の収入に応じて負担割合を決めることが可能。
- 条件
夫婦それぞれがローンを組み、所得税を支払っている必要があります。 - メリット
大きな節税効果が得られ、住宅購入資金を効率的に運用可能。
3. 社会保険の等級による影響
- 概要
共働き夫婦の場合、それぞれが社会保険に加入しているため、収入による負担が増える可能性がありますが、等級が適正になるため、単独で高収入の場合よりも社会保険料が抑えられる場合があります。 - メリット
それぞれが老齢厚生年金を将来的に受給できるため、長期的な経済基盤が強化されます。
4. 結婚を機に活用できる家計管理ツールや制度
- ふるさと納税
共働きでそれぞれ収入がある場合、ふるさと納税を夫婦それぞれで活用することで節税が可能。 - 個人型確定拠出年金(iDeCo)
結婚を機に老後資金の準備を夫婦で行う場合、iDeCoを活用することで所得控除が受けられます。
5. 相続税の配偶者控除
- 概要
結婚している場合、相続時に「配偶者控除」を利用できます。法定相続分または1億6,000万円までは相続税が非課税となります。 - メリット
配偶者が遺産を受け取る際、大幅に税負担を軽減可能。
6. 結婚特有の公的支援や給付
- 児童手当(子どもがいる場合)
結婚後に子どもを持つ場合、児童手当を受け取る権利が得られます。夫婦の所得合算によって支給額が決まることも。 - 助成金や自治体のサポート
結婚を機に住む自治体によっては、住居費や子育て支援金を受け取れる場合があります。
共働き夫婦で注意すべきポイント
- 扶養の適用が難しくなる
共働きでそれぞれ収入がある場合、配偶者控除や社会保険上の扶養は適用されません。ただし、節税策や資産運用を工夫することでカバー可能です。 - 税金負担の増加
それぞれが独立して収入を得るため、累進課税の影響で税負担が高まることがあります。
まとめ
結婚によって新たに利用できる制度や控除は、夫婦の収入バランスやライフステージに応じて異なります。共働きであれば、住宅ローン控除や配偶者特別控除を活用し、ふるさと納税やiDeCoなどの節税制度を併用することで、税負担を軽減できます。
節税や制度活用に関しては、具体的な状況に応じて税理士やファイナンシャルプランナーに相談すると良いでしょう。