プライミング流しとは透析を行う上で事前にプライミングされて準備してある血液回路内の生理食塩水を開始と同時に流して捨てながら透析を開始する方法のことです。
やり方
透析患者に針を2本穿刺したところで脱血側のみ血液回路に繋ぎ返血側の回路は廃液カップに入れた状態でQB100ml/min位のゆっくりした速度でダイアライザあたりまで血液が満たします。
その後、廃液カップにある返血側の回路を返血用として穿刺してある針に繋げて透析を開始します。
メリットとしてはプライミング分の生理食塩水を捨てることで除水が多く行えることです。ダイアライザまで血液が満たされるとダイアライザのサイズにもよりますが大体100~200ml位の生理食塩水を捨てる事になるので当然ではありますが多く除水することができます。
デメリットとしては透析患者に負荷が掛かることです。具体的には血圧が下がったりします。除水速度で言えば100mlを1分で引いた計算になるので6L/hになります。中々の高速です。いきなりは血圧が下がらなくても除水を続けていくと早めに血圧が下がることが多くなります。
参考までに献血の速度は全血であれば400mlを大体10分程度で抜いていくので先ほどの除水速度に換算すると2.4L/hになります。これも中々の速度にはなりますが先ほどのプライミング流し程の速度にはなりません。
透析患者は健常人よりも体内に水を含んでいるので血圧が高いことも多いのでプライミング流しをして血圧を下げにいく方法にもなるのですが透析患者は心臓も同時に悪いことが多いのでプライミング流しの負荷が強すぎてしまうこともあります。
私個人としては余程血圧が高く、心機能に問題がなく、血圧低下の少ない透析患者にしか行っていません。
リサーチを行った施設に関しては今現在は行っている施設は少ないです。昔は行われていることが多かったみいたいですがデメリットが目立つ所と除水のやり方の主流として時間を掛けてゆっくりと除水を行って無理をしないで安全を取る施設が多いみたいです。
透析の除水とは?で除水については書いてあるのでもしよかったらこちらも読んでみて下さい。
最後まで読んで下さってありがとうございました。参考にして頂けたら嬉しいです。
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