過去に東日本大震災などの震災で透析中に緊急離脱が必要になったケースがあります。
緊急時には医療従事者は患者を守らなければなりません。
そこで今回は医療従事者が震災が起こったときにとる行動を東日本大震災の時の実例を踏まえながら現状こうした方がいいとされているやり方を解説していきます。
透析室以外の環境でもかなり参考になるかと思うので読んでみて下さい。
事前に行っておくべき対策についてです。
- コンソールのキャスターフリー
- ベッドのキャスターはロック
- 重要な機器はアンカーボルトなどで固定
- パイプ部分にはフレキシブルチューブを使用
これらの機器や環境に対する対策が有効であるとされています。
まずはコンソールのキャスターフリーについてですがこれは東日本大震災発生時は基本的に医療機器はキャスターはロックを掛けておく考え方が多くありました。
しかしながら高さのある医療機器はロックが掛かっているものはほどんどが倒れてしまったと報告されています。
その為、現在では高さのある医療機器はキャスターフリーにしておくといった考え方が主流になっています。
その一方でベッドのロックは掛けておいた方がいいとされています。
ベッドにおいてはロックを掛けておいたところでひっくり返るような心配はないからです。
そして普段動かさないようなRO装置、透析液溶解装置などはアンカーボルトや突っ張り棒などで固定しておくことが推奨されています。
そして最後は少し難しいですがパイプ部分を塩ビ管ではなくできる限りフレキシブルチューブに変えておくことが推奨されています。
塩ビ管は大きい地震では折れてしまった施設があったようです。
そして震災が起こった時に行う行動としては
1.自分の安全を確保する。
2.時間があれば返血。無理だったら離脱作業に入る。
3.患者の移動を行う。
4.詳細状況の確認。
これらの行動は全てできそうだったらです。揺れが大きければそこまでできないと思うのであくまで理想的な行動としてです。
そして注意する行動としては回路を切断する等の緊急離脱はしないということを覚えておいて下さい。
実は以前は緊急時はハサミで回路を切って離脱するようにガイドラインで定められていたのですが緊急時に普段行っていない作業はできないという結論に至ったようです。
普段からできない様な行動はいきなりはできないですね。
以上が緊急事態が起こった時の対策になります。
最後まで読んで下さってありがとうございます。参考にして頂けたら嬉しいです。
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