月々1万円台から新車に乗れるって本当?残クレのメリット・デメリットと向いている人を徹底解説!

残価設定型クレジット(残クレ)のメリットとデメリットについて、それぞれ詳しく解説します。

残クレの5つのメリット

1. 月々の支払いが抑えられる

これが残クレの最大のメリットです。車両価格から数年後の残価(下取り価格)を差し引いた金額でローンを組むため、通常のローンよりも月々の支払額が大幅に安くなります。これにより、予算的に手の届かなかった上級グレードや車種を選べる可能性も高まります。

2. 常に新しい車に乗れる

数年単位(3年、5年など)で契約期間が満了するため、契約終了時に乗り換えを選択すれば、常に最新の機能や安全装備を備えた新車に乗り続けられます。車のモデルチェンジに合わせて乗り換えることで、飽きずにカーライフを楽しめます。

3. 煩わしい車の売却手続きが不要

契約満了時に車を返却するか乗り換える場合、面倒な車の売却手続きや、中古車買取業者との交渉が不要になります。販売店に車を引き渡すだけで手続きが完了するため、手間がかかりません。

4. 車の資産価値変動リスクを避けられる

車は購入した瞬間から価値が下がり始めます。通常のローンでは、売却時の下取り価格がローン残債を下回る「オーバーローン」のリスクがありますが、残クレではあらかじめ残価が保証されているため、市場の動向に左右されにくくなります。

5. ローン期間が短い

通常のカーローンは5年〜7年といった長期にわたることが多いですが、残クレは3年〜5年程度の契約期間が一般的です。比較的短い期間で支払いプランを見直すことができます。


残クレの5つのデメリット

1. 走行距離に制限がある

多くの残クレ契約では、年間または契約期間全体の走行距離に上限が設けられています(例:年間10,000km)。この上限を超過すると、契約終了時に追加料金が発生します。通勤や旅行で頻繁に車を使う方には不向きな場合があります。

2. 車を自由にカスタマイズできない

返却することを前提としているため、内外装の大きな改造や、純正品以外のパーツ取り付けは原則としてできません。もし改造した場合は、返却前に元に戻す費用を請求されたり、残価が減額されたりする可能性があります。

3. 傷や凹みに注意が必要

契約終了時に、車の内外装に著しい損傷(大きな傷、凹み、シートの汚れなど)があると、その修理費用として追加料金を支払う必要があります。小さな傷でも査定に影響する可能性があるため、普段から丁寧に扱う必要があります。

4. 総支払額が割高になることがある

月々の支払いは安くなりますが、ローン金利は残価を含む車両価格全体にかかります。契約終了時に残価を再ローンで支払う場合や、一括で買い取る場合、総支払額が通常のローンよりも高くなることがあります。

5. 契約期間終了後の選択肢が限られる

契約満了時には「乗り換え」「返却」「買取」のいずれかを選択する必要があります。買取を選んだ場合、その時点での残価を一括で支払うか、再ローンを組む必要があります。乗り換えや返却を選択しない限り、いずれは残価分を支払う必要が出てきます。

残クレで月々1万円台にするための「3つの条件」

月々の支払いを1万円台に抑えるには、主に以下の3つの条件が重要になります。

  1. 車両価格を抑える:
    • 軽自動車やコンパクトカーなど、比較的車両価格が安い車種を選ぶ。
    • 不要なオプションをつけない。
  2. 残価率の高い車種を選ぶ:
    • 5年後の下取り価格が高い人気車種や、モデルチェンジのサイクルが長い車種は、残価率が高く設定されやすい。
    • 例えば、軽自動車のスーパーハイトワゴン(N-BOX、タントなど)や、コンパクトSUVなどは残価率が高くなる傾向にあります。
  3. 頭金やボーナス払いを活用する:
    • 頭金を多く入れるほど、ローン元金が減るため月々の支払いが安くなる。
    • ボーナス払いを設定すれば、月々の支払いをさらに抑えることができる。

具体的なシミュレーション例

ここでは、上記の条件を満たす代表的な車種を例にシミュレーションします。 ※あくまで一般的な概算であり、実際の支払い額は販売店や金利、時期によって変動します。

例1:ホンダ N-BOX(軽自動車)

  • 前提条件:
    • グレード: G Honda SENSING
    • 車両価格: 約165万円
    • 契約期間: 5年(60回払い)
    • 残価設定率: 50%(約82.5万円)
    • 頭金: 30万円
    • ボーナス払い: 5万円×年2回
    • 金利: 4.5%
  • シミュレーション結果:
    • ローン元金: 165万円 – 82.5万円 – 30万円 = 52.5万円
    • 月々の支払い額: 1万円台前半
    • 最終回(5年後)の支払い: 82.5万円

例2:トヨタ ヤリス(コンパクトカー)

  • 前提条件:
    • グレード: G(ガソリン車)
    • 車両価格: 約195万円
    • 契約期間: 5年(60回払い)
    • 残価設定率: 45%(約87.75万円)
    • 頭金: 40万円
    • ボーナス払い: 6万円×年2回
    • 金利: 4.5%
  • シミュレーション結果:
    • ローン元金: 195万円 – 87.75万円 – 40万円 = 67.25万円
    • 月々の支払い額: 1万円台後半
    • 最終回(5年後)の支払い: 87.75万円

例3:スズキ ジムニー(SUV)

  • 前提条件:
    • グレード: XG(5MT)
    • 車両価格: 約155万円
    • 契約期間: 5年(60回払い)
    • 残価設定率: 55%(約85.25万円)※リセールバリューが高いため
    • 頭金: 25万円
    • ボーナス払い: 4.5万円×年2回
    • 金利: 4.5%
  • シミュレーション結果:
    • ローン元金: 155万円 – 85.25万円 – 25万円 = 44.75万円
    • 月々の支払い額: 1万円台前半
    • 最終回(5年後)の支払い: 85.25万円


まとめ

残クレは、**「数年ごとに新車に乗り換えたい」「月々の支払いを抑えたい」「面倒な手続きを避けたい」**という方には非常に魅力的なシステムです。

一方で、**「車を長く乗り続けたい」「走行距離を気にせず使いたい」「自由にカスタマイズしたい」**という方には向いていない可能性があります。

残クレで月々1万円台の新車に乗るには、軽自動車やコンパクトカーを選び、ある程度の頭金やボーナス払いを組み合わせるのが現実的な方法です。

ただし、これらのプランには以下の注意点があります。

  • 月々の支払いは安く見えますが、最終的に残価を支払うか、乗り換える必要があります。
  • 走行距離や車の状態に制限があり、オーバーすると追加料金が発生します。
  • 最終的な総支払額が通常のローンより高くなるケースもあります。

ご自身のカーライフや価値観に合わせて、メリットとデメリットをよく比較検討し、最適な選択をすることが重要です。