
「もしかして、自分だけが嫌な思いをしている?」そう感じたら、それは大切な心のSOSです
職場での人間関係や仕事内容の変化など、あなた自身が「これはいじめかもしれない」と気づくためのサインを解説します。そして、つらい状況を乗り越えるためのヒントをお届けします。
職場でのいじめの代表例
職場でのいじめは、さまざまな形があります。代表的なものを紹介します。
身体的な攻撃
- 殴る、蹴る、つねるなどの暴力行為
- 会社の備品や私物を壊す、隠すといった嫌がらせ
言葉による攻撃
- 悪口、からかい
- 脅し、嫌がらせの電話やメール
- 無視、仲間はずれ
- SNSやチャットツールでの誹謗中傷
心理的な攻撃
- 集団で無視する
- 必要な情報共有から故意に外す
- わざと仕事で失敗させるような指示を出す
- 根も葉もない噂を流す
- 過大な、または過少な業務量を与える
性的ないやがらせ
- わいせつな言葉をかける
- 嫌がる身体の接触
ネットいじめ
- SNSやチャットでの悪口、誹謗中傷
- プライベートな写真を晒す
- なりすまし
言葉や投稿、誹謗中傷とは?
言葉や投稿、誹謗中傷は、相手を精神的に傷つけたり、社会的評価を貶めたりする行為です。具体的には、以下のようなものが挙げられます。
1. 直接的な悪口や人格否定
- 「仕事ができない」「役立たず」「給料泥棒」といった、仕事の能力や人格をけなす言葉。
- 「お前がいると迷惑」「辞めちまえ」など、存在そのものを否定する言葉。
2. 事実無根の噂や嘘の拡散
- 「〇〇さんは顧客からクレームを受けている」
- 「〇〇は会社の備品をくすねている」
- 「〇〇は同僚の悪口を言っている」
このような嘘を広めることで、相手を孤立させたり、信用を失わせたりします。たとえ「噂だから」と書き込んだとしても、それが誹謗中傷にあたる可能性があります。
3. 個人情報の晒し
- 本名、住所、電話番号、顔写真を、本人の許可なくインターネット上に公開する。
- SNSのアカウント名を晒し、そこに集団で攻撃を仕掛ける。
4. 嫌がらせや脅迫
- 「辞めなければどうなるかわからないぞ」といった、脅迫的なメッセージ。
- 特定の相手にのみ聞こえるように、わざと大きな声で悪口を言う。
5. ネット上での嫌がらせ行為
- 本人になりすまして、問題のある投稿をする(例:SNSで不適切な内容を投稿する)。
- 仕事用のチャットグループから一方的に外す。
- 相手の写真を無断で加工・合成し、SNSに投稿する。
これらの行為は、言葉の暴力やネットいじめとして、被害者に深い心の傷を負わせます。いじめは「された側がどう感じるか」が重要であり、たとえ加害者が「冗談のつもりだった」と言い訳をしても、相手が傷ついた時点でいじめとなります。
職場でいじめを受けているサイン
心や体に現れるサイン、行動の変化など、自分自身で気が付くためのポイントを紹介します。
心と体に現れるサイン
- 会社に行きたくなくなる:出勤前にお腹が痛くなったり、めまいがしたり、気分が悪くなる。
- ささいなことでイライラする:普段は気にならないことに腹を立てたり、怒りっぽくなる。
- 眠れなくなる、食欲がなくなる:夜中に目が覚めて眠れなくなったり、食事が喉を通らなくなる。
人との関わりで現れるサイン
- 無視される、仲間外れにされる:特定の同僚から挨拶を無視されたり、会話に入らせてもらえなくなる。
- 悪口を言われる:面と向かって人格を否定するようなことを言われる。
- 必要な情報が共有されない:自分だけ会議の通知が来なかったり、業務連絡が回ってこない。
自分自身に問いかけてみる
- 「やりたくないのに、いやなことをさせられる」:みんながやっているからといって、嫌な飲み会やプライベートな付き合いに無理やり付き合わされている。
- 「相手は冗談のつもりでも、自分は全然面白くない」:笑いながら嫌なことを言ってくるが、自分は傷ついている。
- 「もうやめてほしいと伝えたのに、嫌がらせが続く」:嫌だと伝えたのに、からかいや嫌がらせがやまない。
もし、これらのサインにひとつでも当てはまることがあったら、それは「いじめ」かもしれません。いじめは**「された側がどう感じるか」**が一番大切です。ひとりで悩まず、信頼できる同僚、上司、人事担当者、社外の相談窓口などに話してみてください。
職場いじめの被害者になったと感じたとき
- 一人で抱え込まない:信頼できる同僚や家族、友人など、身近な人に相談してみましょう。
- 記録をつける:いつ、どこで、誰に、どんな嫌がらせをされたのか、詳細にメモしておきましょう。
- 相談する:会社のハラスメント相談窓口、人事部、信頼できる上司に相談しましょう。
- 専門機関を利用する:社内の相談先がない、または相談しても解決しない場合は、弁護士や労働組合、外部のカウンセリング機関など、専門の窓口に相談することも検討しましょう。
あなたが感じるそのつらさは、決して気のせいではありません。一歩踏み出して、状況を変えるための行動を起こしましょう。