膝半月板損傷の手術費用はいくら? 切除術(日帰り)と縫合術(入院1週間)の費用と期間を徹底比較

2025年現在の一般的な医療ガイドラインに基づき、病院や個人の状態により異なります。必ず整形外科医に相談してください。以下にまとめます。

1. 治療法

治療は損傷の程度、年齢、症状の重さ(例: ロッキングの有無)で選択されます。主に以下の3つです。

  • 保存療法(非手術)
    軽度〜中等度の損傷や加齢性変性に適応。半月板の自然治癒を促し、症状を抑えます。
    • 内容: 安静(負荷を避ける)、アイシング、消炎鎮痛薬(NSAIDs内服や湿布)、筋力トレーニング(大腿四頭筋・ハムストリングス強化)、ヒアルロン酸注射(関節潤滑)。 
    • 期間: 数週間〜3ヶ月。改善率は70-80%程度ですが、再発リスクあり。 
    • メリット: 侵襲が少なく、日常生活を続けやすい。 
    • デメリット: 重症時は効果が限定的で、変形性膝関節症へ進行する可能性。
  • 手術療法
    症状が強い場合やスポーツ復帰を目指す場合に選択。主に関節鏡視下手術(低侵襲、小さな傷口でカメラを使って行う)で、半月板を温存する方向が主流です。
    • 半月板部分切除術: 損傷部分を切り取る。適応: 外側損傷や血流の悪い内側後角。
      • メリット: 即時効果が高く、回復が早い。 
      • デメリット: 半月板が減るため、将来的に膝関節症リスク↑。
    • 半月板縫合術: 裂け目を縫う。適応: 若年者で血流の良い部位(外側や内側前角)。
      • メリット: 半月板を温存でき、長期予後良好。 
      • デメリット: 固定期間が必要で、成功率80-90%。
    • その他: 重度の場合、半月板移植(稀)。再生医療(PRP注射など)は自費が多い。 
    • 手術時間: 30分〜1時間。全身麻酔または局所麻酔。
  • リハビリ: どちらの治療でも必須。手術後1-2日から開始し、筋力・可動域回復を目指す。保存療法時は即時開始。

2. 入院期間

入院の必要性は治療法や病院の方針により異なります。2025年現在、関節鏡手術の普及で短縮傾向です。

治療法入院期間の目安詳細
保存療法入院不要(外来通院)症状重い場合のみ短期入院(1-3日)。
部分切除術日帰り or 1-3日低侵襲のため即日退院可能。翌日歩行開始。
縫合術2-7日(2泊3日〜1週間)固定が必要で、松葉杖歩行訓練後退院。術後1-2週間は松葉杖使用。
  • 注意: 合併症(感染など)で延長の可能性あり。日帰り手術が増え、全体の平均入院日数は3-5日程度。

3. 診療報酬(費用)

日本では健康保険適用(3割負担の場合の目安)。診療報酬点数は令和6年(2024年)改定を基に、2025年も大きな変更なし(2026年改定予定)。点数は1点=10円で計算。実際の費用は入院日数、検査、薬などで変動します。自費治療(再生医療)は別途。

項目診療報酬点数(目安)3割負担の自己負担額(目安)備考
半月板切除術約3,000-5,000点7-15万円手術料+入院料。日帰りなら低め。
半月板縫合術約5,000-10,000点15-30万円縫合は複雑で高め。固定材代含む。
保存療法(外来)数百-1,000点/回数千円-3万円/月注射・リハビリ含む。入院なし。
入院基本料(1日)約5,000点1.5万円/日医療型病棟の場合。差額ベッド代別。
  • 総額目安: 手術+入院で総額20-50万円(3割負担)。高額療養費制度で月額上限あり(所得による)。 
  • 保険適用: 切除/縫合術は全額適用。再生医療は一部自費(10-50万円)。
  • 注意: 点数は病院の設備(DPC対象か)で変動。詳細は受診時に確認を。2025年改定情報は厚生労働省サイト参照。