
靭帯損傷・断裂(例: 膝の前十字靭帯: ACL、足首の外側靭帯)の場合、生命保険(主に医療保険特約付き)や医療保険から給付金を受け取れる可能性が高いです。ただし、給付額は保険商品・契約内容・入院日数・手術の種類により異なり、目安としてお考えください。実際の請求時は保険会社に確認を。以下、代表例を基に説明します(2025年時点の一般的な事例、3割負担の医療費を前提)。
1. 給付金の主な種類
医療保険の基本保障として、以下の給付金が該当します。靭帯損傷は「不慮の事故」扱いになることが多く、加入前発症の病気は対象外。
| 給付金の種類 | 対象例 | 給付額の目安(標準的な医療保険) | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 入院給付金 | 入院治療(固定・リハビリ含む) | 1日あたり5,000〜10,000円 (例: 7日入院 → 3.5〜7万円) | 1回の入院限度: 30〜60日。日帰り入院も対象の商品あり。 |
| 手術給付金 | ACL再建術(関節鏡下) | 入院日額の5〜20倍 (例: 日額5,000円×10倍 → 5万円) | 公的医療保険適用手術(約1,000種)が対象。倍率タイプが主流。 |
| 特定損傷給付金 | 靭帯断裂(事故後180日以内) | 一時金5〜20万円 (例: 断裂治療時一括) | 骨折・脱臼・靭帯断裂専用特約。事故限定。 |
| 通院給付金(オプション) | リハビリ通院 | 1回あたり2,000〜5,000円 (例: 週2回×3ヶ月 → 数万円) | 入院後通院分のみ。限度回数あり。 |
- 総額目安:
- ACL断裂(手術+7日入院): 入院3.5〜7万円 + 手術5〜10万円 + 特定損傷10万円 = 総額18.5〜27万円。
- 足首靭帯断裂(保存療法+短期入院): 入院1〜3万円 + 特定損傷5〜10万円 = 総額6〜13万円。
- 生命保険との違い: 医療保険特約付きの生命保険(例: 終身型)で上記がカバー。純粋な死亡保障の生命保険は対象外。
2. 給付額の計算例(標準医療保険: 日額5,000円の場合)
- 入院: 1日5,000円 × 入院日数。
- 手術: 手術の重症度で倍率(軽度: 5倍=2.5万円、中度: 10倍=5万円、重度: 20倍=10万円)。
- ACL再建術: 通常10〜20倍(5〜10万円)。公的医療費約25万円(3割7.5万円)に対し、手術給付でカバー。
- 特定損傷: 靭帯断裂で一時金(例: 第一生命やメディケア生命で5〜20万円)。事故日からの180日以内限定。
| シナリオ | 入院日数 | 手術 | 特定損傷 | 総給付目安 |
|---|---|---|---|---|
| ACL重度(手術) | 7日 | 10倍(5万円) | 10万円 | 8.5万円 + 15万円 = 23.5万円 |
| 足首中度(固定) | 3日 | なし | 5万円 | 1.5万円 + 5万円 = 6.5万円 |
| リハビリ通院追加 | – | – | – | +2〜5万円(別途) |
3. 請求の流れと注意点
- 必要書類: 診断書・診療明細書・入院証明書・手術同意書。保険会社サイトでダウンロード可。
- 請求期限: 事故/入院日から3年以内。
- 対象外例:
- 加入前損傷。
- 美容/健康診断目的の手術。
- 限度額超え(通算入院日数: 1,000日など)。
- 税金: 給付金は非課税。
- 事例: メットライフやアクサ生命の88種手術リストに靭帯修復が含まれる。固定額タイプ(1回5万円)も選択肢。
