肺炎の死亡率は、原因菌・患者の年齢・基礎疾患・治療のタイミング・医療環境などによって大きく異なります。以下に主なデータをまとめます(日本・世界の統計を基に、2020年代のデータ)。
全体の死亡率(市中肺炎の場合)
| 条件 | 死亡率(概算) |
|---|
| 一般的な市中肺炎(入院治療) | 5〜10% |
| 重症肺炎(ICU入室が必要) | 20〜50% |
| 高齢者(65歳以上) | 15〜30% |
| 超高齢者(85歳以上) | 30%以上 |
原因別死亡率(市中肺炎)
| 原因 | 死亡率(入院例) |
|---|
| 肺炎球菌性肺炎 | 5〜15% |
| インフルエンザ併発肺炎 | 10〜20% |
| COVID-19肺炎(2020〜2023) | 1〜10%(軽症〜重症で変動) ※人工呼吸器使用例:30〜70% |
| レジオネラ肺炎 | 10〜15% |
| 誤嚥性肺炎(高齢者) | 20〜40% |
院内肺炎(HAP / VAP)の死亡率
- 院内肺炎(HAP):20〜30%
- 人工呼吸器関連肺炎(VAP):30〜50%(耐性菌が多いため)
日本国内の統計(厚生労働省・2023年データ参考)
| 年齢層 | 肺炎による死亡数(年間) | 人口10万人あたりの死亡率 |
|---|
| 全年齢 | 約 7〜8万人 | 約 60人 |
| 65歳以上 | 約95%を占める | 約 300〜400人 |
| 85歳以上 | 特に高い | 約 1,000人以上 |
日本では肺炎は死因第5位(がん・心疾患・老衰・脳血管疾患の次)
高齢化により死亡数は増加傾向
死亡率を下げるポイント
| 対策 | 効果 |
|---|
| 肺炎球菌ワクチン(PCV13 / PPSV23) | 死亡リスクを30〜50%低下 |
| 早期受診・抗菌薬投与 | 死亡率を半分以下に |
| 禁煙・基礎疾患管理 | リスク大幅減 |
まとめ:死亡率の目安
| 状況 | 死亡率 |
|---|
| 若い健康な人(市中肺炎) | 1%未満 |
| 一般的な入院例 | 5〜10% |
| 高齢者+基礎疾患 | 20〜40% |
| 重症(ICU) | 30〜50% |