
肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による肺炎などの重症感染症を予防するもので、特に高齢者向けに定期接種が実施されています。以下に、対象者、種類、接種スケジュール、費用をわかりやすくまとめます。情報は厚生労働省や自治体ガイドラインに基づきますが、自治体により細部が異なるため、居住地の保健所や医療機関で確認を。
1. 定期接種の対象者
- 主な対象: 65歳以上(接種日時点で65歳以上、かつ過去に肺炎球菌ワクチンを接種していない方)。
- 例: 2025年4月に65歳になる方(昭和60年4月生まれ)など、誕生月ごとに対象。
- 乳幼児(定期接種): 生後2ヶ月〜1歳未満(Hibワクチンなどと同時接種可能)。これは高齢者とは別枠。
- 基礎疾患ありの成人(20〜64歳): 糖尿病、心臓病、呼吸器疾患、脾臓機能不全など特定のリスク群も定期接種対象(主治医相談)。
- 注意: 過去に接種歴がある場合、定期接種の公費助成は生涯1回限り。再接種は任意(5年以上の間隔を推奨)。
対象者には、誕生月上旬に自治体から「予防接種券」(クリーム色のハガキ)が送付されます。届いたら、指定医療機関で予約を。
2. 使用されるワクチンの種類
定期接種で使用可能なのは、主にPPSV23(ニューモバックスNP、23価)のみです。
- カバーする菌型: 23種類(肺炎球菌の主な型をカバー)。
- 効果: 重症肺炎・菌血症を60〜70%予防。免疫持続は約5年。
- 接種方法: 筋肉注射(上腕)。1回接種で基本完了だが、5年後に再接種推奨(助成なし)。
他のワクチン(PCV13/15/20、プレベナーシリーズ):
- これらは65歳以上で承認されていますが、2025年現在、定期接種には使用不可(任意接種のみ)。厚生労働省が有効性・費用対効果を検討中。
- PCV20(プレベナー20)は20種類カバーで1回で長期効果が高いが、自費。
3. 接種スケジュール
| 対象 | スケジュール | 間隔 |
|---|---|---|
| 65歳以上(高齢者定期) | 65歳の誕生月から1年間以内(例: 2025年4月生まれなら2025年4月〜2026年3月)。 | 生涯1回(再接種は任意)。 |
| 乳幼児 | 生後2、4、6ヶ月(初回3回)+1歳〜1歳3ヶ月(追加1回)。 | 1ヶ月以上空ける。 |
| リスク群成人 | 20歳以上で基礎疾患診断後、随時(主治医判断)。 | 初回1回+5年後再接種。 |
- 同時接種: インフルエンザワクチンなど不活化ワクチンと同日可能(生ワクチン以外)。
- 副反応: 接種部位の痛み・腫れ(50%程度)、発熱(10%以下)。5日以内に治まるが、重い症状は医師相談。
4. 費用と公費助成
- 標準的な接種費用(PPSV23): 約8,000〜10,000円(医療機関による)。
- 定期接種の場合: 公費助成あり(一部負担)。
| 状況 | 自己負担額(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| 65歳以上定期接種 | 3,000〜4,000円(例: 八王子市3,960円) | 公費で約半額〜7割助成。自治体差あり(無料の自治体も一部)。 |
| 乳幼児定期接種 | 無料(全額公費)。 | 予防接種法適用。 |
| リスク群成人 | 3,000〜5,000円 | 基礎疾患証明書が必要。 |
| 任意接種(PCV13/20など) | 全額自費: 8,000〜15,000円 | 助成なし。PCV20は高め(12,000円前後)。 |
- 助成のポイント:
- 生涯1回限り(PPSV23のみ)。過去接種歴があると対象外。
- 東京都23区の場合: 2025年4月から一部補助終了で自己負担が増加(例: 新宿区で変更)。
- 無料化の自治体: 一部(例: 横浜市で低所得者免除可能)。
- 追加助成: 低所得者・障害者手帳保有者は全額免除の場合あり。詳細は自治体HPで。
費用は医療機関の請求書で確認。予診票持参で助成適用。
5. 注意点とアドバイス
- 接種のタイミング: 肺炎流行期(冬)前が理想。インフルエンザワクチンと併用で相乗効果。
- 対象外の場合: 過去接種済みやPCV希望時は任意。重症アレルギー(アナフィラキシー歴)は不可。
- 再接種: 5年後推奨だが、助成なし。自費でPCV20がおすすめ(免疫強い)。
- 問い合わせ先:
- 自治体の保健所(例: 予防接種券の再発行)。
- かかりつけ医(予約・相談)。
まとめ
- 定期接種対象: 65歳以上(PPSV23、生涯1回)。
- 費用: 助成後3,000〜4,000円(自治体による)。
- 効果大: 肺炎入院を70%減! ハガキが来たらすぐ予約を。
肺炎予防の第一歩はワクチン。持病がある方は主治医に相談を。
