
心筋梗塞(しんきんこうそく)は、心臓の筋肉(心筋)に血液が十分に届かなくなり、一部が壊死(死んでしまう)する病気です。一般的には「心臓発作」とも呼ばれます。以下に、原因・症状・治療・予防まで、わかりやすくまとめます。
1. 原因
心筋に血液を供給する冠動脈が詰まることが主な原因です。
- 動脈硬化:血管の内壁にコレステロールなどが溜まり、プラーク(塊)ができます。
- 血栓:プラークが破裂すると血小板が集まり、血管が急に詰まります。
- その他:血管の痙攣、血栓が他の場所から飛んでくる(塞栓)など。
リスク要因(なりやすい人)
- 高血圧、糖尿病、脂質異常症
- 喫煙、肥満、運動不足
- 家族歴(親や兄弟に心筋梗塞の人がいる)
- ストレス、加齢(特に男性45歳以上、女性55歳以上)
2. 症状(急に現れることが多い)
| 主な症状 | 特徴 |
|---|---|
| 胸痛 | 胸の中央が締め付けられるような激しい痛み。20分以上続く。 |
| 冷や汗 | 急に汗がドッと出る。 |
| 息切れ | 呼吸が苦しくなる。 |
| 吐き気・嘔吐 | 胃の不快感を伴うことも。 |
| 左肩・腕・あごの痛み | 痛みが広がる(放散痛)。 |
注意:女性や高齢者、糖尿病の人は「胸痛が弱い」「症状が曖昧」な場合もあります(例:疲労感、胃痛だけ)。
3. 緊急時の対応(命に関わるので迅速に!)
- 胸痛が20分以上続く → すぐに救急車(119)を呼ぶ
- 待っている間は安静にし、ニトログリセリン(処方されている場合のみ)を使用。
- 発症から6〜12時間以内に治療を受けると、心筋のダメージを最小限にできます。
4. 診断と治療診断
- 心電図(ECG):異常波形(ST上昇など)で判断。
- 血液検査:心筋が壊れると出るトロポニンなどの値が上昇。
- 冠動脈造影:カテーテルで血管の詰まり具合を確認。
治療
| 治療法 | 内容 |
|---|---|
| 血栓溶解療法 | 発症早期に薬で血栓を溶かす(時間制限あり)。 |
| カテーテル治療(PCI) | 詰まった血管を風船で広げ、ステント(網状の筒)を入れる。 |
| バイパス手術(CABG) | 重症の場合、別の血管で迂回ルートを作る。 |
| 薬物療法 | 抗血小板薬(アスピリン)、スタチン、β遮断薬など。 |
5. 予防方法
| 生活習慣 | 具体例 |
|---|---|
| 禁煙 | タバコは血管を傷つけ、血栓をできやすくする。 |
| 食事 | 塩分・糖分・脂質を控え、野菜・魚・食物繊維を多めに。 |
| 運動 | 週150分以上の有酸素運動(ウォーキング、ジョギング)。 |
| 体重管理 | BMI 25未満を目指す。 |
| 定期検診 | 血圧・血糖・コレステロールをチェック。 |
6. 予後(その後)
- 治療が早ければ生存率は90%以上。
- 再発予防のため、薬の継続と生活習慣の改善が必須。
- 心不全や不整脈のリスクが残るため、定期通院を。
まとめ
心筋梗塞は「時間との勝負」です。
胸痛が20分以上続く → 迷わず119番
普段から禁煙・運動・健康診断でリスクを減らしましょう。
