
「Gem(ジェム)」は、GoogleのAIサービスであるGemini(ジェミニ)を、特定の目的やタスクに特化してカスタマイズできる機能のことです。
簡単に言えば、「あなた専用のAIアシスタント(カスタムチャットボット)」を作成する機能です。これは、OpenAIのChatGPTにおける「GPTs」と非常に似た概念です。
Gemの主な特徴とできること
Gemを作成・利用することで、通常の汎用的なGeminiチャットボットよりも、特定の業務や目的に最適化された回答やアウトプットを得ることができます。
| 特徴 | 詳細 | メリット |
| カスタム指示 | AIの役割(ペルソナ)、回答のトーン(丁寧、カジュアルなど)、出力形式(箇条書き、要約、レポート形式など)を細かく設定できます。 | 毎回詳細なプロンプトを入力する手間が省け、期待通りのアウトプットがすぐに得られます。 |
| 知識の追加(RAG) | Google DriveのドキュメントやPDF、CSVなどのファイルをアップロードし、それを参照情報としてAIに学習させることができます。 | 自社のブランドガイドラインや特定の技術文書に基づいた、より正確で信頼性の高い回答を生成できます。AIのハルシネーション(嘘の回答)抑制にも役立ちます。 |
| タスクの専門化 | 情報収集と要約、ビジネスメール作成、プログラミング補助、特定のスタイルの画像プロンプト生成など、特定のタスクに特化したエキスパートを作成できます。 | 専門分野におけるAIの回答精度と実用性が大幅に向上します。 |
| 共有・再利用 | 一度作成したGemをGemマネージャーからいつでも呼び出したり、組織内で共有したりして、チーム全体の業務効率化に活用できます。 | 組織全体でAIの利用品質を統一し、効率的な作業フローを構築できます。 |
Gemの作成例と活用例
| 作成するGem | 役割(カスタム指示の例) | 活用シーン |
| 議事録作成アシスタント | 録音の書き起こしテキストを読み込ませ、発言者を整理し、「決定事項」「To Do」「懸案事項」を明確に分けて箇条書きで出力するプロフェッショナル。 | 長い会議のメモから、次のアクションに繋がる要点を瞬時に抽出する。 |
| ブランドガイドラインチェッカー | 会社のロゴ規定やトーン&マナーが書かれたPDFを読み込む。 | 広告文やメールを作成する際、ブランド規定に沿っているかを即座に確認・修正する。 |
| トレーニングコーチ | ユーザーの身体的制限、時間的制約、目標(例:高タンパク食、膝に負担をかけないワークアウト)を考慮して、新しい運動とレシピを提案する。 | 個人のニーズに合った継続的な健康サポートを受ける。 |
この「Gem」機能は、通常、**Gemini Advanced(有料プラン)**またはGoogle Workspace向けのプランで利用可能になります。

