クモ膜下出血(SAH)は、緊急手術を要する疾患ですが、その後の入院期間は治療法や重症度によって大きく異なります。特に2025年現在、体への負担が少ないコイル塞栓術が主流になったことで、入院期間は以前よりも短縮傾向にあります。
クモ膜下出血(SAH)の入院期間 2025年日本のリアル目安
| 治療法・重症度 | 急性期病院(手術〜ICU) | 回復期リハビリ病院への転院 | 合計入院期間の目安 | 2025年現在の傾向 |
|---|
| 軽症(Grade1〜2、コイル、小出血) | 10〜21日 | 転院不要〜1ヶ月 | 2〜6週間 | どんどん短縮中 |
| 中等症(Grade3、コイル、意識はっきり) | 2〜4週間 | 1〜3ヶ月 | 2〜4ヶ月 | 一番多いパターン |
| 重症(Grade4〜5、意識障害、手術合併症) | 4〜10週間 | 3〜6ヶ月 | 4〜10ヶ月 | ICUが長い |
| クリッピング手術(開頭) | 3〜6週間 | 1〜3ヶ月 | 3〜5ヶ月 | コイルより1〜2週間長い |
| 血管れん縮・水頭症で合併症 | +2〜8週間延長 | 転院遅れる | 6ヶ月以上も | VPシャントでさらに+1ヶ月 |
| 80歳以上・高齢者 | 2〜6週間 | 転院せず老健or自宅へ | 1〜3ヶ月 | 回復期入れないケース急増 |
2025年現在の「入院が短くなっている」主な理由
| 変化内容 | 入院短縮効果 |
|---|
| コイル塞栓術が80%超に(開頭より回復2週間早い) | −1〜3週間 |
| フローダイバーターで巨大動脈瘤もカテーテル治療に | −2週間 |
| 回復期リハビリ病院のベッドが10%増加 | 急性期が早く出せる |
| 訪問リハビリ+デイケアが週5日入れられるようになった | 3ヶ月目から自宅退院OKに |
| 診療報酬で「150日超えると病院収入激減」 | 強制的に退院調整 |
実際の退院スケジュール例(中等症・コイルの場合)
| 日数 | 場所・状態 |
|---|
| Day 0 | 発症→救急車→CT診断 |
| Day 1〜3 | コイル塞栓術(クリップなら+3〜5日) |
| Day 4〜14 | ICU→HCU→一般病棟(エリル点滴14日間) |
| Day 15〜30 | リハビリ開始+水頭症チェック |
| Day 30前後 | 回復期リハビリ病院へ転院(or 自宅退院) |
| 合計 | 最短3週間 平均2〜3ヶ月 |
自宅退院できる人の条件(2025年チェックリスト)
- 杖か歩行器で家の中を1人で歩ける
- トイレ・風呂が自力か軽介助でできる
- 家族か訪問介護が1日2回以上来られる
- 訪問リハビリ+デイケアが週3〜5日入れられる
- むせずに普通食か刻み食が食べられる