脳卒中は、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の3つに大別され、それぞれが異なるメカニズムと治療法を持ちます。日本で最も多いのは、血管が詰まる脳梗塞(約70〜75%)ですが、血管が破れる脳出血と、動脈瘤が割れるくも膜下出血は致死率が高く、より緊急性が高いのが特徴です。
脳卒中の種類
| 種類 | 割合(日本) | 仕組み | 主な原因 | 発症の特徴 | 重症度・死亡率 |
|---|
| 脳梗塞 | 70〜75% | 脳の血管が詰まって血が流れなくなる | 動脈硬化、心房細動、頸動脈狭窄など | 寝ている間に発症(朝に気づく)ことも多い | 中〜重 |
| 脳出血 | 15〜20% | 脳の中の細い血管が破れて出血 | 高血圧(90%以上) | 日中の活動中に急にバットで殴られたような頭痛+麻痺 | とても重い |
| くも膜下出血 | 5〜10% | 脳の表面の動脈瘤(コブ)が破裂 | 動脈瘤(生まれつきor加齢) | 「今までに経験したことない最悪の頭痛」が突然! | 超重症 |
脳梗塞はさらに3種類に細かく分かれます(重要!)
| サブタイプ | 割合 | 原因・特徴 | 治療のポイント |
|---|
| 心原性脳塞栓 | 25〜30% | 心臓(特に心房細動)でできた血栓が脳にドーンと飛んでくる | 発症急!大きい梗塞になりやすい |
| アテローム血栓性 | 30〜40% | 首や脳の太い血管の動脈硬化が進行 → そこで血栓ができて詰まる | 中〜高齢者に多い |
| ラクナ梗塞 | 25〜30% | 脳の奥の「とても細い血管」が高血圧でボロボロになって詰まる | 小さい梗塞が多いが、繰り返すと認知症に |
一目でわかる比較表
| 脳梗塞 | 脳出血 | くも膜下出血 |
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| 発症時の頭痛 | あまりない | 激しい(30〜50%) | 超激しい(90%以上) |
| 意識レベルの低下 | 軽度〜中等度 | 多い | とても多い |
| 発症時の血圧 | 普通〜やや高い | めちゃくちゃ高いことが多い | 高い |
| 治療の時間制限 | 4.5〜24時間以内が可能 | 基本は血圧を下げるだけ | 再出血防止の手術が最優先 |
| 再発予防薬 | 抗血小板薬or抗凝固薬 | 血圧の薬 | 手術(コイルorクリッピング) |
覚えておくと便利な一言まとめ
- 脳梗塞 → 「詰まる病気」 朝に手足が動かない
- 脳出血 → 「破れる病気」 活動中に激しい頭痛+麻痺
- くも膜下出血 → 「コブが割れる病気」 雷に打たれたような頭痛