
インフルエンザの診断において、最も高い精度を誇るのがPCR検査(リアルタイムRT-PCR)です。一般的な迅速抗原検査が「今、ウイルスが体内にいるか」を判定するのに対し、PCR検査はウイルスの遺伝子を直接検出するため、その正確性は99.9%以上とされています。
2025年現在、PCR検査は、従来の迅速検査で結果がはっきりしない場合や、重症化リスクの高い患者さん(高齢者、基礎疾患のある方など)に対して「最終兵器」として活用されています。
インフルエンザPCR検査の詳細まとめ(2025年日本)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | リアルタイムRT-PCR(逆転写+遺伝子増幅検査) |
| 検出できるもの | インフルエンザA型・B型(+亜型判定も可能:H1N1pdm、H3N2、ビクトリア、山形系など) |
| 同時に検出できるウイルス | 2024-2025シーズンの主流キットはほぼすべて「インフル+新型コロナ+RSウイルス」の3〜4項目同時検査 |
| 精度(感度・特異度) | 感度 99.5〜100% 特異度 100%(偽陰性・偽陽性ともにほぼゼロ) |
| 所要時間 | ・最速機種:40〜60分 ・一般的な病院:2〜6時間 ・外注検査:翌日午前中結果 |
| 検体採取方法 | 鼻咽頭拭い液(鼻の奥深くまで綿棒) ※唾液PCRはインフルエンザでは保険適応外(2025年現在) |
| 費用(3割負担の目安) | 1,800〜3,500円(同時検査の項目数で変動) |
| 保険適応になる主なケース | ・65歳以上・基礎疾患あり・妊婦 ・迅速検査が陰性なのに重症度が高い ・入院が必要な場合・施設内・学校での集団発生 ・医師が医学的に必要と判断したとき |
2025年現在、PCR検査を受けられる主な場所
| 場所 | 結果までの時間 | 特徴 |
|---|---|---|
| 大きな総合病院・大学病院 | 1〜3時間 | 最速。夜間でも対応可 |
| 発熱外来(PCR専用) | 1〜4時間 | 予約制が多い |
| 地域のPCRセンター | 当日〜翌日 | 無料または低額(自治体による) |
| 普通のクリニック | 翌日結果 | 外注に出すため遅い |
医師が「PCRにしよう」と判断する典型パターン
- 迅速検査2回陰性なのに高熱+呼吸苦が続く
- 高齢者・糖尿病・心臓病など重症化リスクが高い
- 家族全員陽性なのに本人だけ迅速陰性
- 入院治療が必要(特にゾフルーザが効かない耐性株疑い時)
- 学校・施設で「正確な型まで知りたい」と言われたとき
まとめ
- 普通の人はまず迅速検査 → よほどおかしいときだけPCR
- PCRは「ほぼ100%正しい答えが出る最終兵器」
- 費用と時間がかかるので、医師が必要と判断しない限りは使われない
「迅速で陰性だったけど絶対インフルだ!」と思ったら
→ 「PCRお願いします」と自分から言っても大丈夫です(保険も通ることがほとんど)。
[インフルエンザ検査の種類を比較]迅速抗原、PCR、免疫クロマト法の違いと2025年現場の使い分け
自宅検査キットランキング
| 順位 | 商品名(メーカー) | 検出対象 | 感度(検出率)目安 (発症12-48h後) | 結果時間 | 価格相場 (1回分) | 妊婦・子ども対応 | 特徴・入手性 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | Panbio COVID-19/Flu A&B | COVID+インフルA/B | COVID: 90%前後 インフル: 85%前後 | 15分 | 1,980~2,480円 | ◎(鼻腔浅め) | 検出率最強クラス。Amazon1位常連 |
| 2 | クイックナビ-Flu+COVID | 同上 | COVID: 88% インフル: 80-85% | 15-20分 | 1,780~2,200円 | ◎(子ども対応設計) | 日本製で信頼度高。 |
| 3 | KBMラインチェック nCoV/Flu | 同上 | COVID: 85% インフル: 80%前後 | 15分 | 1,480~1,980円 | ◎ | 最安値帯。マツキヨ・ウエルシアで店頭在庫多め |
| 4 | イージードック Flu&COVID-19 | 同上 | COVID: 87% インフル: 82% | 15分 | 2,200~2,600円 | ◎(妊婦使用実績多) | 鼻腔拭い棒が柔らかめ |
