
「もし余命を宣告されたら、最後のお金はいつ、どう使うべきか?」
この重い問いに対する答えの一つが、生命保険の**「リビング・ニーズ特約」です。これは、死亡保険(定期・終身・収入保障など)に無料で付加できる特約であり、被保険者が医師により「余命6ヶ月以内」**と診断された場合、生前に死亡保険金の全部または一部を受け取れる画期的な制度です。
1994年に日本で導入されて以来、終末期(ターミナルケア)におけるQOL(生活の質)向上に不可欠な仕組みとして定着しています。本記事では、この特約の発動条件、支払限度額、**利子(年6%程度)の有無、そして最大のメリットである「非課税」**での使い道まで、2025年現在の最新情報を基に徹底解説します。ご自身の加入している死亡保険にこの「本当に助かる特約」が付加されているか、ぜひ確認してください。
主な仕組みと条件(2025年現在)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発動条件 | 医師により「余命6ヶ月以内」と判断されること(診断書が必要) |
| 支払われる金額 | 死亡保険金の全部または一部(上限は保険会社により5000万円〜1億円程度の場合が多い) |
| 支払限度額 | 多くの会社で「3,000万円」または「保険金額の90%」など制限あり |
| 支払われた後の保険 | 支払った金額分だけ死亡保険金が減額される(保険契約は継続) |
| 利子 | 支払われた保険金に「6%/年」の利子が差し引かれる(保険会社による) |
| 保険金の使い道 | 完全に自由(医療費・介護・旅行・家族への贈与など何に使ってもOK) |
| 税金 | 非課税(死亡保険金と同じ扱い。一時所得や贈与税はかからない) |
| 特約料 | ほとんどの会社で無料(自動付加 or 希望で付加) |
具体例(イメージ)
- 死亡保険金:5,000万円の終身保険
- 余命6ヶ月と診断 → リビング・ニーズ請求
- 会社の上限3,000万円まで請求可能
- 実際に2,000万円請求 → すぐに2,000万円(-利子)受け取り
- その後亡くなった場合 → 残りの3,000万円が死亡保険金として支払われる
メリット
- ホスピス・自宅療養費用に充てられる
- 最期に家族旅行ややりたかったことに使える
- 医療費以外の「お金の心配」を軽減できる
- 非課税でまとまったお金が手に入る
注意点・デメリット
- 一度請求すると死亡保険金が減る(家族が受け取る額が減る)
- 利子(6%相当)が差し引かれる会社が多い
- 余命6ヶ月を超えて生存した場合、追加請求はできない(再度診断が必要)
- 一部のネット生保(ライフネット生命など)では付加できない場合あり
主要保険会社の対応状況(2025年時点の代表例)
| 保険会社 | 無料付加 | 上限額例 | 利子 |
|---|---|---|---|
| 日本生命 | ◯ | 3,000万円 | あり |
| 第一生命 | ◯ | 保険金額の90% | あり |
| 明治安田生命 | ◯ | 5,000万円 | あり |
| 住友生命 | ◯ | 3,000万円 | あり |
| オリックス生命 | ◯ | 3,000万円 | なし(利子0%) |
| メットライフ生命 | ◯ | 1億円 | あり |
| ライフネット生命 | × | 付加不可 | – |
まとめ
「死を待たずに死亡保険金を生前に受け取れる、終末期のQOL向上のための特約」必要なときに本当に助かる特約なので、死亡保険に加入する際は「リビング・ニーズ特約がついているか」を確認することをおすすめします!
保険の相談や見直しについては保険の相談窓口から相談を。

