三大疾病保険の「リアル」:がん診断は確実でも心筋梗塞・脳卒中の支払いが難しい理由と、最新「給付無制限型」の選び方

がん、急性心筋梗塞、脳卒中という日本人の三大疾病に備える保険は、医療費だけでなく生活費や住宅ローンにも使える一時金が魅力です。しかし、商品選びを誤ると、肝心な時に給付を受けられないリスクもあります。

2025年現在、三大疾病保険のトレンドは、**「無制限100%給付型」が主流となり、保障内容は進化しました。しかし、支払い条件の実態は厳しく、がんは診断確定のみで比較的給付されやすい一方で、急性心筋梗塞や脳卒中では「60日以上の労働制限または後遺症」**が必要なため、軽症では給付のハードルが高いのが実情です。

三大疾病保険の詳細まとめ(2025年時点)

項目内容(2025年現在の主流)
対象となる三大疾病1. がん(悪性新生物。上皮内新生物は除外or減額) 
2. 急性心筋梗塞(60日以上の労働制限が必要な状態) 
3. 脳卒中(60日以上の後遺障害が必要な状態)
主な給付タイプ① 一時金型(診断・発病で100〜500万円などまとめて受取)
② 年金型(5〜15年間、毎年100万円など) 
③ 入院+手術給付型
給付回数・無制限型(何度でも100%給付)← 2023年以降の新商品で急増 ・2回目以降50%減額型 ・1回のみ型
待機期間(免責期間)がんは90日間(契約日から90日以内の診断は給付対象外) 心筋梗塞・脳卒中はなし
保険期間終身型(一生保障)/ 定期型(10年・65歳までなど)
支払い条件の厳しさ・がん:診断確定のみ(上皮内がんは0〜50万円に減額が多い) ・急性心筋梗塞・脳卒中:60日以上の労働制限or後遺症が必要(軽症だと出ない)
保険料目安(40歳男性・保険金額100万円・終身型)月額 2,500〜5,000円程度(無制限型は高め)

2025年現在の人気商品比較(抜粋)

保険会社 / 商品名給付回数上皮内がん心筋梗塞・脳卒中の条件月額目安(40歳男性100万円)
オリックス生命「Believe 3D」無制限(100%)同額60日労働制限約3,200円
東京海上日動あんしん生命「三大疾病保険」無制限(100%)同額60日労働制限約3,800円
チューリッヒ生命「終身三大疾病保険プレミアムZ」無制限(100%)同額60日労働制限約3,100円(最安クラス)
ライフネット生命「かけるがん三大疾病」1回のみ同額60日労働制限約2,200円(安い)
SBI生命「も。」無制限(100%)同額60日労働制限約3,000円
メットライフ生命「三大疾病一時金」2回目以降50%0〜50万円60日労働制限約4,500円

三大疾病保険のメリット・デメリット

メリットデメリット
診断されたら即まとまったお金が受け取れる急性心筋梗塞・脳卒中の給付条件が厳しい(60日後遺症が必要)
最近は「何度でも100%給付」が主流上皮内がんは減額される商品が多い
医療保険と違い、入院・通院日数に関係なく出る軽症の心筋梗塞・脳卒中では給付されない
使い道自由(生活費・ローン返済もOK)保険料が医療保険より高い

おすすめの選び方(2025年現在)

目的おすすめタイプ
とにかく何度でも安心したい無制限100%給付(オリックス・チューリッヒなど)
とにかく安くしたい1回のみ型(ライフネットなど)
上皮内がんも同額で欲しい上皮内新生物も100%給付の商品
心筋梗塞・脳卒中も実質的に軽症でも欲しい「三大疾病」ではなく「生活習慣病保険」や「就業不能保険」を検討

三大疾病保険は「がんはほぼ確実に出るが、心筋梗塞・脳卒中はハードルが高い」のが実情です。
最近は「就業不能保険」や「収入保障保険+リビングニーズ特約」の組み合わせのほうが実用的という声も増えています。

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