今回は透析のつらさについて書いていこうと思います。
透析はメディア等ではつらい、きつい、苦しい、痛いといった感じで
「透析になったら人生終了だ。」なんて事を言う人もいます。
では透析ではなにがつらさの原因になっているのか?の解説と共に実はある程度そのつらさの対策はできるのでその方法についても書いていきます。
透析のつらさは主にこれらになります。
- 疲労感
- 痛み
- 長時間の拘束
初めに疲労感から書いていきます。
透析では運動や労働はしていないのに、透析が終わると疲労感がある人がいます。
ではなぜ疲労感がでるのかというと脈拍の上昇が起こっているからです。
人間は心臓が速く動く事で疲れを感じます。
例えば、お風呂やサウナに入った時や人前に出てスピーチをしたりテストを受けた後なんかは脈拍が一時的に上昇して疲労感が出やすくなります。
透析で脈拍の上昇が起こる原因としてはこんな感じの流れになっています。
- 除水を行う(体から水を抜く)。
- 低血圧になる(脱水症状が起こり水が無くなった分を回数で補おうとする)。
- 頻脈になる(心臓が速く動いて脈拍の上昇が起こる)。
- 疲労感が出る。
この疲労感への対策はどのようにすればよいかというと
除水量を少なくする。水をあまり抜かないようにするといった方法になります。
水分コントロールや食事法については長くなってしまうので今回は割愛しますが透析の疲労感は主にこの様にして起こると言われています。
その為、普段の生活の中での水分コントロールができるとかなり疲労感は軽減されます。
あまり除水量を多くしすぎると意識を失う事もあるので食事による水分コントロールはかなり重要になってきます。
そしてこれはコントロールすることは難しいのですが透析では炎症反応が起こって心拍数の増加が原因になっている場合もあります。
その場合は採血結果でわかるのでなぜか透析後に調子が悪かったりする場合は医師やスタッフに相談してみてもいいかもしれません。
次に痛みについてですが透析では2つの痛みが発生する可能性があります。
- 穿刺痛(針を刺す痛み)
- 下肢の攣り
この痛みに対する対策としてまず穿刺痛は透析では多くの透析患者さんは内シャントという自分の血管に針を刺して透析を行います。
こんな感じで血液を抜く脱血と血液を返す返血の2本の針を刺して透析を行っています。
この透析毎に針を刺すのがかなり苦痛という人が多くいます。注射が好きな人や痛みが好きな人はほとんどいないですからね。
穿刺痛に対する対策としては麻酔のテープもしくはクリープを使用する事が多いです。
実際に使ってみるとかなり痛みが軽減される様です。
もう1つの方法はボタンホールです。
これは穿刺の方法で簡単に言うと血管の一点に穿刺を続ける事で痛みを軽減する方法です。
麻酔に比べると効果は薄いそうですが効果はあるそうです。
病院が対応してくれれば両方使う事もできます。
次に足の攣れについてですがこれは最初に書いた疲れとも関係するのですが除水による脱水が原因といわれています。
スポーツなんかで足が攣るのと同じような仕組みです。
これも除水が原因になるので対策としては食事からの水分コントロールを行うことで軽減されます。
あとは時間は掛かってしまいますが下肢の筋肉を増やすことも有効です。
エビデンスは弱いですが一応攣れ予防の薬もあるのでその辺も試してみるのもありかもしれません。
最後に長時間の拘束についてです。
これについては現状すごく短くすることは難しいです。
基本的には透析をやっている方の多くは4時間の透析を行っています。
ただ学会や研究では現在は5時間の透析を行う事が最も予後がいいとされています。
そして透析治療に熱心な病院や医師はより患者さんに生きて欲しいと思っているので長時間の透析を推奨しています。病院によっては6時間以上透析をやる施設もあります。
長時間透析のメリットとして
- 除水速度が緩やかになるので脱水を起こしにくい。
- 血液がよりきれいになる。
デメリットは拘束時間が長くなることですね。
透析治療としては長時間行う方がメリットが大きいのですがどうしても時間が短い方がいいという人は最低でも基本の4時間は透析をした方がいいです。
理由として4時間透析を行うとカリウムという血液中の1番危ない物質を最低レベルまで下げる事ができるからです。
それでも透析の時間を短くしたい時間を有効に使いたい場合は
- 医師に時間短縮を申し出る。
- 夜、寝ている間に透析を行う。(時間短縮はない)
- 自宅で透析を行う。(時間短縮はない)
方法はいくつかあるのですがどれも少しハードルが高いのと下2つに至っては時間短縮ではなく時間の有効活用ができる方法になってます。
医療が発展して時間短縮ができるといいんですけど現状はこの辺が限界になっています。
病院によっては4時間透析を強制的にやるように言ってくるところもありますが医療は強制ではないので違う病院を探したり選択肢は出てきますので病院の指示に全部従う必要はありません。
他の病院に話だけでも聞きに行くのも手段としてありだと思います。
最後まで読んで下さってありがとうございました。参考にして頂けたら嬉しいです。
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