
「認知症」について、世界と日本の状況を比較してまとめました。
認知症のランキングにおいて日本は「世界ダントツの1位(または最上位クラス)」です。これは、うつ病などの他の精神疾患とは全く異なる、日本が直面している最大級の課題と言えます。
1. 認知症の有病率(人口比)世界ランキング
WHOや経済協力開発機構(OECD)のデータに基づく、人口1,000人あたりの認知症患者数の推計です。
| 順位 | 国名 | 有病率(1,000人あたり) | 主な背景・要因 |
| 1位 | 日本 | 約23.3人 | 世界一の超高齢社会。長寿ゆえに発症リスクが増大。 |
| 2位 | イタリア | 約22.5人 | 欧州で最も高齢化が進んでいる国の一つ。 |
| 3位 | ドイツ | 約20.2人 | 高齢化に加え、診断・ケア体制が充実している。 |
| 4位 | フランス | 約18.9人 | 国家戦略として認知症対策に注力している。 |
| 5位 | アメリカ | 約18.1人 | 人口規模が大きく、食生活や生活習慣病の影響。 |
2. なぜ日本が「世界1位」なのか?
日本がランキングの頂点にいる理由は、主に3つあります。
- 世界一の寿命: 認知症の最大の受容体(リスク要因)は「加齢」です。長生きする人が多いほど、必然的に認知症を抱える人の数も増えます。
- 高齢化率の高さ: 全人口に占める65歳以上の割合が約29%と世界最高であり、分母となる高齢者が圧倒的に多いためです。
- 診断技術と精度の向上: 日本はMRIなどの検査機器の普及率が高く、早期に「認知症」と診断されるケースが多いことも数字を押し上げています。
3. 日本国内での推移(2025年・2026年問題)
日本国内では、いわゆる「2025年問題(団塊の世代が全員75歳以上になる)」により、状況はさらに深刻化しています。
- 患者数: 2025〜2026年には、65歳以上の約5人〜7人に1人が認知症になると推計されています。
- MCI(軽度認知障害): 認知症の前段階とされるMCIの人を含めると、高齢者の約3人に1人が何らかの認知機能の低下を抱えている計算になります。
4. 精神科と心療内科、どっちで診る?
認知症の疑いがある場合、最初にどちらに行くべきか迷うかもしれませんが、一般的には以下の通りです。
- 精神科(または物忘れ外来): * 暴言、徘徊、幻視、ひどい不眠などの「行動・心理症状(BPSD)」が強い場合。
- 感情のコントロールが効かなくなった場合。
- 脳神経内科:
- 「最近物忘れが激しいな」といった初期の診断や、脳の器質的な変化(脳梗塞の影響など)を確認したい場合。
- 心療内科:
- 基本的には認知症の専門ではありませんが、初期段階の「うつ」と「認知症」の判別が難しい場合に相談に乗ってもらえることがあります。
日本が1位であることは、裏を返せば「認知症ケアや公的支援(介護保険制度など)が世界で最も進化せざるを得ない状況にある」ということでもあります。日本は「認知症と共生する社会」のフロントランナーなのです。
まとめ
- うつ病ランキング: 日本は40位前後(受診控えが多い、潜在的患者は多い)。
- 認知症ランキング: 日本は1位(超高齢社会のため、避けて通れない課題)。
