錆柄の猫ってオスは少ない?

錆柄(さびがら)の猫は、オスが少ないことで知られています。この色柄は、黒と赤(橙)の毛色が混じった模様で、特に日本では「さび猫」と呼ばれます。英語では「トーティシェル(tortoiseshell)」とも言います。

理由

錆柄の猫にオスが少ない理由は、遺伝子の仕組みによるものです。具体的には、猫の毛色を決定する遺伝子は性染色体に関連しています。

1. 性染色体

  • 猫の性染色体は人間と同様にXX(メス)とXY(オス)です。
  • 錆柄の猫の毛色は、X染色体上にある黒と赤の遺伝子によって決まります。

2. 遺伝子の働き

  • 黒の毛色はB遺伝子、赤の毛色はO遺伝子によって決まります。
  • メス猫はXXの性染色体を持っているため、X染色体の一方に黒の遺伝子、もう一方に赤の遺伝子を持つことができ、これが混ざることで錆柄になります(X^B X^O)。

3. オス猫の遺伝子

  • オス猫はXYの性染色体を持っているため、X染色体の一方にしか毛色の遺伝子を持てません(X^B YまたはX^O Y)。
  • そのため、通常のオス猫では黒か赤のいずれかの毛色しか持つことができず、錆柄にはなりません。

例外的なケース

非常に稀なケースで、オス猫が錆柄になることもあります。それには以下のような遺伝的条件が必要です:

1. クラインフェルター症候群

  • クラインフェルター症候群は、性染色体がXXYとなる遺伝的異常です。
  • この場合、オス猫でもX染色体を2本持つため、メス猫と同様に黒と赤の遺伝子を持ち、錆柄になることがあります。

2. 遺伝的モザイク

  • まれに、体細胞で遺伝子の異常が起こり、異なる毛色の遺伝子を持つ細胞が混在することがあります。この場合も、オス猫が錆柄になることがあります。

まとめ

錆柄の猫にオスが少ないのは、毛色の遺伝子が性染色体に関連しており、通常のオス猫はX染色体を1本しか持たないためです。稀な遺伝的条件が揃うと、オス猫でも錆柄になることがありますが、その頻度は非常に低く、全体の錆柄猫の中でオスはごく少数です。

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