医療•健康 【比較】頭部外傷による急性期出血:硬膜外・硬膜下・くも膜下血腫の緊急度と予後
頭部打撲後、生命を脅かす最大の危機となるのが、頭蓋骨と脳の間に起こるさまざまなタイプの出血、すなわち外傷性頭蓋内出血です。特に緊急性が高いのは、急性硬膜外血腫(EDH)と急性硬膜下血腫(ASH)であり、その発生部位、原因血管、そしてCT画像に映る血腫の形状(凸レンズ型か三日月型か)によって、治療の緊急度や予後が大きく異なります。本記事では、これらEDH・ASHに加え、外傷性くも膜下出血(tSAH)を含めた主要な3つの出血を、原因、画像所見、そして予後の観点から徹底比較します。それぞれの病態が持つ脳ヘルニアのリスクや、遅発性の脳血管攣縮といった注意すべき合併症を理解することは、迅速な診断と適切な治療選択に不可欠です。