医療•健康 【予後は二極化】外傷性くも膜下出血(tSAH)の治療とリスク:脳血管攣縮・水頭症に注意せよ
頭部打撲によって生じる外傷性くも膜下出血(tSAH)は、他の外傷性出血とは一線を画す特徴を持ちます。少量かつ単独であれば、予後は極めて良好で保存的治療が中心となりますが、ひとたび重篤な脳損傷を合併するか、遅発性の合併症(脳血管攣縮や水頭症)を発症すると、一気に重症化し、予後が不良となる二極化の傾向があります。本記事では、tSAHの保存的治療の原則と、なぜ重症例でV-Pシャント術といった外科的治療が必要になるのかを解説します。また、退院後に認知機能障害や歩行障害(Hakimの三徴)として現れる遅発性の水頭症リスクに焦点を当て、tSAH後の長期的な経過観察の重要性について詳しくお伝えします。