
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染症法上の位置づけが「5類」に移行し、検査や陽性時の対応は大きく変わりました。発熱や咳が出た場合、「どの検査を、どこで、どれくらいの費用で」受けられるのか、そして陽性だった場合の最新の行動ルールを知っておくことが重要です。本記事では、PCR、抗原定量、抗原定性キットなど各種検査の特徴から、薬局での購入方法、そして自己判断が基本となった後の自宅療養の目安まで、日本国内の最新情報をわかりやすく解説します。
1. 主な検査の種類
| 検査方法 | 検出対象 | 精度 | 所要時間 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| PCR検査 | ウイルスの遺伝子(RNA) | 非常に高い | 数時間〜1日 | 確定診断、症状あり・濃厚接触者 |
| 抗原定量検査 | ウイルスのタンパク質 | 高い | 15〜30分 | 医療機関での迅速診断 |
| 抗原定性検査 | ウイルスのタンパク質 | 中程度(偽陰性に注意) | 15〜30分 | 簡易キット、自宅検査 |
| 抗体検査 | 過去の感染を示す抗体 | 感染後1〜2週間で陽性 | 15〜30分 | 過去感染の確認(現在感染は不可) |
2. 検査の受け方(日本国内)
① 医療機関で受ける場合
- 対象者:発熱・咳などの症状がある人、濃厚接触者、渡航・イベント参加目的など
- 費用:公費負担(無料)の場合あり(自治体による)。自費の場合:PCR 約5,000〜15,000円、抗原検査 約2,000〜5,000円
- 予約:多くの医療機関で事前予約必須(電話・WEB)
- 注意:発熱外来・PCRセンターは減少傾向。かかりつけ医に相談を。
② 薬局・キットで受ける場合(抗原検査キット)
- 販売場所:薬局、ドラッグストア、Amazonなど
- 価格:1回分 約1,000〜2,500円(第1類医薬品)
- 使用方法:鼻腔ぬぐい液をキットに滴下 → 15分で判定
- 注意:
- 第1類医薬品は薬剤師の説明が必要
- 陰性でも症状があれば医療機関受診を
- 偽陰性リスクあり(特に無症状時)
③ 空港・イベントでの検査
- 入国時:検疫での抗原定量検査(無料)が一部継続
- イベント:主催者指定の抗原検査証明が必要な場合あり
3. 陽性時の対応
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 症状なし | 自宅療養(5日間目安)、保健所への届出は任意 |
| 症状あり | 医療機関受診(オンライン診療も可)、解熱後24時間+発症後5日で解除 |
| 高齢者・基礎疾患あり | 早めの受診・抗ウイルス薬(パキロビッド等)処方可 |
※ 2023年5月8日より「2類」→「5類」へ移行
→ 自己判断での療養が基本。保健所の積極的疫学調査は終了。
4. よくある質問
Q. 陰性でも感染していないとは限らない?
→ はい。特に抗原定性キットは偽陰性リスク高。症状があれば再検査を。Q. ワクチン接種者は検査不要?
→ いいえ。ワクチン接種でも感染・発症する(ブレークスルー感染)。Q. 抗体検査で免疫がわかる?
→ 抗体価は感染防御力の指標にならない(WHO見解)。現在はほぼ使われない。
5. 最新トピック
- 変異株対応:最新キットは BA.2.86系(JN.1等)にも対応
- オンライン検査:唾液PCRキットの郵送検査サービスが人気(約5,000円)
- 学校・職場のルール:陽性時の出勤停止は企業・学校判断(5〜7日が主流)
まとめ
| 目的 | おすすめ検査 |
|---|---|
| 今感染しているか知りたい | PCR or 抗原定量 |
| すぐ結果が欲しい | 抗原定性キット(薬局) |
| 過去に感染したか知りたい | 抗体検査(ほぼ不要) |

